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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は4月9日,VoIP(voice over IP)技術を使った企業向け音声通話サービス「.Phone IP Centrex」を発表した。新サービスは,2002年11月から試験サービスを提供してきた「シェアードIP-PBXサービス」を刷新したもの。本格的なサービス提供に向け,メニュー体系と料金体系を見直した。開始は4月10日。

 .Phone IP Centrexは従来の回線交換方式の電話網に代わり,IP網上で音声通話を実現する。ユーザーは既存のアナログ電話機をそのまま使いながら,NTTコムのインターネット接続サービス「OCN」を経由して拠点間の内線通話ができる。既存の加入電話番号への外線発信も可能。ただし,当初は外部の加入電話からの着信には対応しない。また,今後は広域イーサネット・サービスの「e-VLAN」など,他の通信サービスにも対応予定。

 サービスの利用には,既存のアナログ電話機をIP網につなぐためのターミナル・アダプタ(TA)が必要。対応するTAは,最大4台のアナログ電話機を接続できる住商エレクトロニクスの「IVG-144」。既存のPBX(構内交換機)をIP網に接続できるVoIPゲートウエイについては,現在,対応製品の準備を進めているところ。

 シェアードIP-PBXサービスからの変更点は,(1)完全従量課金の料金体系を採用,(2)内線通話だけのメニューを追加--の2点。従来は,外線発信の通話時間に応じて30/60/90時間までは定額料金,超過すると1分当たり8円の通話料がかかった。新サービスでは,通話可能な電話機1台当たりの月額基本料と3分当たり8円の通話料に分け,通話時間に応じて課金する仕組みとした。

 メニューは,利用できる音声通話サービスの違いによって,(1)内線通話と外線発信のいずれも可能,(2)外線発信だけ可能,(3)内線通話だけ可能--の三つから選べる。内線番号はユーザーが任意の番号を指定し,外線番号はNTTコムが050番号を付与する。通話可能な電話機1台当たりの月額基本料は,(1)が1000円,(2)と(3)が600円。内線通話料は無料。これらメニューで利用できる機能は,単純な通話機能のみ。転送や保留など簡易なPBX機能を使う場合,通話可能な電話機当たり月額200~500円の追加料金がかかる。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)