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 米クアルコムは2004年に,CDMA2000 1xとW-CDMAの二つの主要な第3世代携帯電話(3G)方式に対応した通信チップ「MSM7000」シリーズをサンプル出荷する。詳細な出荷時期は明らかではないが,「従来の例からすると,新チップのサンプル出荷から半年後をめどに,商用端末が登場する可能性が高い」(クアルコム ジャパン)。

 クアルコムは,CDMA2000 1x方式や従来のcdmaOne方式の携帯電話向け通信チップ市場で世界最大手。例えば,日本のau向け携帯電話機の大半もクアルコム製チップを採用している。このため,早ければ2004年にもCDMA2000 1x方式と,NTTドコモやJ-フォンが採用したW-CDMA方式に準拠した携帯電話機が多数登場する可能性が出てきた。

 MSM7000シリーズの最大の特徴は,通信処理用とアプリケーション処理用の二つのCPUを一つのチップに統合した点。これにより,「コストと消費電力を抑えつつ,高速処理を可能にする」(クアルコム ジャパン)。通信方式としてCDMA2000 1xとW-CDMAに加え,1xEV-DOとHSDPA(high-speed downlink packet access),さらに無線LAN規格「IEEE802.11」に準拠。1xEV-DOは最大2.4Mビット/秒の,HSDPAは最大14Mビット/秒のパケット通信規格である。

 クアルコム ジャパンによると,「今回の発表内容は,MSM7000シリーズの基本コンセプトを表したもの」。実際は,多数の通信方式に対応したフルスペックのチップから,ある程度まで機能を絞って価格を下げたチップまで,ラインナップを細分化していく。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)