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 NTT東西地域会社が10月にも参入するIP電話サービスは,東京23区で「03-xxxx-xxxx」,大阪市で「06-xxxx-xxxx」といった,従来の加入電話と同じ番号体系を使うサービスであることが明らかになった。

 総務省は2002年11月から「050」で始まる11ケタのIP電話番号の割り当てを始めている。しかし,企業ユーザーの間では「代表や部署の番号は050番号に変えられない」といった声が根強く,IP電話を導入する障壁になっていた。

 「03」や「06」で始まる電話番号は「0AB~J」番号と呼ばれ,NTT電話やCATV電話のほか,パワードコムなどの通信事業者が企業の拠点に自ら回線を引き込む「直収電話」で使われている。電話番号を見れば着信先の地域が分かるという利点に加え,電話会社を乗り換えてもユーザーが同じ電話番号を使い続けられる「番号ポータビリティ」の制度が整備されているメリットがある。

 ただし総務省は,「0AB~J」番号を取得する条件として,音声品質が基準値を満たすことのほか,電話会社がユーザーの拠点まで自ら回線を引き込むこと,発信元の場所を特定できること,などを義務付ける方針を打ち出している。このため「0AB~J」番号を使うIP電話は,フュージョン・コミュニケーションズが東京ガス向けに提供しているIPセントレックス・サービスなど,小数の事例しかない。

 NTT東西は,IP電話で「0AB~J」番号を取得するにあたり,専用のVoIP(voice over IP)基幹網を構築し品質基準を満たす。さらに,当初のターゲット顧客をNTT東日本の「メトロイーサ」や,NTT西日本の「アーバンイーサ」の回線を引き込んだユーザーに限定することで,ユーザー回線の敷設条件を満たす。発信場所を特定できる技術的な手当ても行う予定だ。

 企業向けのIP電話は,NTT東日本の全額出資子会社であるNTT-MEも提供しているが,「0AB~J」番号取得の条件を満たすためには,第一種通信事業者である東西NTTが自らサービスに乗り出す必要があったという。

 東西NTTが,「NTT電話から乗り換え可能なIP電話」に本格参入することで,企業向けIP電話を巡る他事業者との競争が激化しそうだ。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)