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 総務省の紛争処理委員会は8月20日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)の初期工事に関する問題で,NTT西日本に命令を出すべきという答申を出した。ソフトバンクBBはNTT局内の初期工事を自社で実施したいとNTT西日本に申し入れたが,拒否されたため総務省に協議開始命令を出すように申し立てていた。総務省は答申を受け,数日中にNTT西日本に命令を出す見通しだ。

 問題となっている工事は,ADSLサービスの開通時に実施するNTT局内のMDF(主配線盤)の配線工事。電話線を収容する東西NTTのMDFから,ADSL事業者のMDFに電話線を配線する。ソフトバンクBBはこの工事を自前で実施できれば,ADSLサービスの一律3050円という初期費用を安くしたり,申し込みから開通までの期間を短縮できると主張してきた。

 しかしNTT西日本は,「複雑に電話線がつながるMDFの工事を他社に任せると電話サービスの信頼性を確保できない」などの理由で認めなかった。

 これに対して,総務省の紛争処理委員会は,「NTT西日本の主張はソフトバンクBBの要望する接続を拒否する理由にはならない」と判断。NTT西日本に接続の協議再開命令を出すことにした。ただし,NTT西日本とソフトバンクBBの相互に影響を及ぼすため,工事主体や方法を両社で緊密に協議すべき」としている。