インターネット接続の海外ローミング・サービスを手がけるアイパス ジャパンは9月18日,クライアント・ソフトの最新版「iPassConnect 3.0」を発表した。同社と提携しているインターネット接続事業者(プロバイダ)を通じて,10月下旬から無償配布する。
このソフトをノート・パソコンなどに導入しておけば,国内ではユーザーが契約しているプロバイダのアクセス・ポイント(AP)を,海外では現地プロバイダのAPを簡単に検索して接続できる。接続手段は加入電話,ISDN,PHS,無線LANに対応している。
現行バージョンとの最大の違いは,ユーザー・インタフェースを大幅に変更して,APの検索や接続にかかるユーザーの手間を抑えた点。例えば,ユーザーが現在いるエリアを選択するだけで,加入電話やISDNといった接続手段それぞれについて最寄りAPを一斉表示するようにした。現行バージョンでは,ユーザーが接続手段を事前に指定してからAPを検索する必要があった。
また,無線LANアクセスを利用する際の接続手順を大きく改善した。具体的には,ユーザーが無線LANアクセス・サービスのサービス・エリアに入ると,iPassConnectが接続可能なAPを自動的に検索して画面に表示する。
加えて,端末とAPの間で使う「ESS-ID」(extended service set identity)や「WEP」(wired equivalent privacy)といった認証キーを,iPassConnectが自動的にAPへ送信して認証手続きを代行する機能も備える。SS-IDやWEPは無線LANアクセス事業者で異なっており,現状はユーザーが前もってパソコンに設定するという手間がかかる。
(高槻 芳=日経コミュニケーション)