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au(KDDIと沖縄セルラー電話)は10月22日,携帯電話サービス向けのパケット通信料の定額プラン「EZフラット」を11月28日から提供すると発表した。auの携帯電話機を使ってメールを送受信したり,携帯電話向けWebサイトにアクセスするデータ通信サービス「EZweb」の通信料が,月額4200円で使い放題になる。
携帯電話向けの定額料金プランは,ボーダフォンが11月4日から企業利用に限定して提供することを発表済み。しかし,個人・法人を問わずに,広く一般ユーザーが利用できる定額料金プランは,EZフラットが国内初だ。個人契約が市場の9割を占める現状を考えると,EZフラットの登場で携帯電話の料金に新しい道が開けると言えるだろう。
EZフラットを利用できるのは,11月28日に始める新携帯電話サービス「CDMA 1X WIN」対応の携帯電話機になる。CDMA 1X WIN端末は,通話はもちろん,「1x EV-DO」と呼ぶ方式に準拠した高速パケット通信ができる。1xEV-DOのパケット通信速度は,理論上は最大2.4Mビット/秒,平均で実効600k~800kビット/秒になる。
CDMA 1X WIN対応端末は,電話機型製品が2機種,ノート・パソコンなどに接続して使うPCカード型製品が1機種登場する。電話機型製品の発売日は,日立製作所製の「W11H」が11月28日,京セラ製の「W11K」が12月中旬である。PCカード型製品「W01K」も京セラ製で,発売日は11月28日。
電話機型製品には,「プランL」,「プランM」,「プランS」,「プランSS」の4通りの料金プランを用意する。EZwebの利用頻度が高いユーザーは,前述のEZフラットを併用することで料金メリットを得られる。
PCカード型製品には,「WINシングル」と呼ぶ料金プランを用意。月額基本料は1500円で,通信料は1パケット(128バイト)ごとに0.1円となる。ただし,EZフラットのような定額料金メニューはない。
KDDIの小野寺正社長は,CDMA 1X WINを「高速・定額のブロードバンド・ケータイ。携帯電話の世界を革新する」と形容。EZフラットの導入によって「長時間・高品質の動画や音楽などのダウンロードが安心して快適にできる」と,繰り返し強調した。会見には,11月下旬からKDDIのCMキャラクターを務める俳優の妻夫木聡さんと仲間由紀恵さんも駆けつけ,新サービスの発表に華を添えた。
(杉山 泰一=日経コミュニケーション)