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 米国の通信・放送政策を方向付ける機関である米国連邦通信委員会(FCC)は米国時間の11月10日,主要な固定電話事業者は2003年11月24日までに携帯電話事業者への番号ポータビリティに対応しなければならないと発令した。

 番号ポータビリティとは,ユーザーが契約する電話事業者を変更しても,同一の電話番号を保持できる制度。今回の発令では,固定電話サービスを提供する事業者は,同じエリアで携帯電話サービスを提供する事業者の要求に応じて,無条件にユーザーの電話番号を譲渡しなければならない。

 FCCは10月7日に,携帯電話事業者間の番号ポータビリティ(LNP:local number portability)の11月24日からの義務化を発表したばかり。固定電話と携帯電話の壁を一気に取り払う“荒業”で,米国の通信業界は大きな節目を迎えることになる。

 対応期限は,米国の100の主要都市部でサービスを提供する固定電話事業者の場合11月24日。それ以外の場所でサービスしている事業者の場合は,2004年5月24日である。技術的に対応不可能であることを証明できる場合を除いて,この発令に従う必要がある。

 米国では,携帯電話事業者間での番号ポータビリティについてFCCと事業者を巻き込んだ5年越しの議論があった後,11月24日からのサービス開始に道が開けたばかり。番号ポータビリティの実現は,一般に相当のシステム対応コストがかかる。今回の決定は,不満をためている携帯電話事業者へのFCCによる“飴”と言えそうだ。固定電話から携帯電話へのサービス移行で電話番号が変わらないとなれば,携帯電話にサービスを乗り換えるユーザーが一気に増えると見られるからである。

 日本でも携帯電話事業者間での番号ポータビリティについて,総務省を中心に議論が盛んになっている。今回の決定は,日本国内の議論に多少なりとも影響を与えそうだ。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)