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 米国のIP電話事業者ネット2フォンが,携帯電話型の端末を使ったサービスを2004年1月にも米国内で開始する。サービスの名称は「Net2Phone WISIP IP Phone」を予定している。米国内のほか,日本や英国,インド,フィリピンなど同社がサービスを提供しているエリアのユーザーに販売する。

 端末は無線LAN技術のIEEE802.11b(11b)に対応し,アクセス・ポイント(AP)経由でインターネットに接続する。ネット2フォンのバート・バルトロッジ戦略開発ディレクタは,「無線LANのAPがあればどこでも格安な電話が利用できる。今後はIEEE802.11gや同11aにも対応した端末を投入したい」と語った(写真1)。

 携帯電話型の端末は台湾メーカー製(写真2)。「200ドル弱でユーザーに販売する」(バルトロッジ・ディレクタ)。当初端末に電話番号を割り当てず,サービスは発信だけ。ただし2004年4月には米国内の電話番号を割り当て,着信サービスを提供する計画である。呼制御はインターネット標準のSIP(session initiation protocol)を採用している。

 通話方法は以下の通り。まずユーザーは11bに対応したAPがある場所まで出向き,端末にESS-ID(extended service set identity)など無線LANの情報を入力。無線LAN経由でインターネットに接続し,相手の電話番号をプッシュすることで通話を開始する。APは,街中のホットスポットや社内に設置されたものを使うことを想定。ネット2フォン自体はAPを整備しない。

 通話料金は同社の既存IP電話サービスの料金を適用する。例えば,米国内での通話は,1分当たり0.02ドル(約2.2円)。携帯電話の場合は同0.029ドル(約3.1円)である。米国から日本への通話は1分当たり0.059ドル(約6.4円),携帯電話は同0.29ドル(約31.3円)となる。ちなみに,日本から日本国内への通話もほぼ同額となる。

 ネット2フォンはダイヤルアップやCATVやDSL(digital subscriber line)などを使うインターネット・ユーザーに,IP電話サービスを提供している。ユーザー数は非公表。米国よりも中南米やインドなど電話料金が比較的高い地域におけるユーザー開拓に積極的である。1999年までソフトバンク・グループが出資をしていた。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション,ニューヨーク発)

写真1 ネット2フォンのバルトロッジ・ディレクタ
写真1 ネット2フォンのバルトロッジ・ディレクタ

写真2 台湾メーカー製の携帯型端末
写真2 台湾メーカー製の携帯型端末