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 米ヴォネージュは,米国の一般向けIP電話サービスのユーザー数およそ10万のうち,約7万5000を占める最大手のIP電話事業者。警察や消防などへの緊急通報の提供を3月から始めた。その実現方法について,同社のルイス・ホルダー上級副社長に聞いた(聞き手は市嶋 洋平=日経コミュニケーション,ニューヨーク発)。

--日本では「03」などで始まる電話番号をIP電話に割り当てる場合,緊急通報を実装することが総務省によって義務付けられている。米国ではどうか。

 米国では固定電話と同じ番号体系をIP電話や携帯電話に割り当てて利用しているため,日本のような規制は今のところない。
 米国では「911」をダイヤルすると管轄する市当局に電話がかかり,警察や消防,救急など必要な部隊が出動する。ヴォネージュはIP電話ユーザーからの要望で911の緊急通報サービスを実装した。緊急通報の提供は当然であり,利用料金は無料とした。

--緊急通報の際,ユーザーの居場所はどうやって特定できるのか。

 居場所をユーザー自身が登録することで実現する。まず,ユーザーがWebページで自分のIDと位置を登録。911をダイヤルすると,ヴォネージュのセンター側でユーザーの位置に最も近い市当局の電話番号を割り出して,ユーザーからの通話をつなぐ。もし旅行や転居などでIP電話機を移動した場合は,再度Webページで自分の位置を登録する。これが現時点では最も現実的な方法だと思う。

--日本の事業者は固定電話へ自動的にう回することや,IP電話に加入したユーザーに固定電話を残してもらうことなどで緊急通報を可能にしているが。

 米国でも他の事業者が緊急通報を確保する場合は,同様な方法を取っている。我々が緊急通報を提供したのは,約20%のユーザーが既存の電話を解約し,当社のIP電話を主回線として使っているといった背景もある。