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 KDDIは2月5日,auブランドの携帯電話をオフィスの内線電話機としても使えるようにするサービス「auエリア内通信ソリューション」(仮称)の計画を初めて披露した。

この日,KDDIの田中孝司ソリューション商品開発本部長が「NET&COM 2004フォーラム」で,「法人向けモバイルソリューションの今後」と題して講演。「携帯電話を子機として使うことで,電話がかかってきた際の着信率が固定型の内線電話機と比べて圧倒的に高まる。取引先や社内の連絡がスムースになるため,業務効率の向上につながる」と来場者に強くアピールした。

 このサービスは,通信業界内で“モバイル・セントレックス”と呼ばれていた極秘プロジェクト。携帯電話網を利用した内線電話のアウトソーシング・サービスだ。企業はこれまで自前で用意する必要があったオフィスの固定電話機やPBXをなくし,一般のau携帯電話機を導入するだけで内線電話網を構築できる。

 具体的には,まずKDDIが自社設備として,ユーザーのオフィス内に小型の携帯電話基地局や電話交換機を設置する。また,au携帯電話機をあらかじめ内線電話の子機として登録しておく。ユーザーがこの携帯電話を使ってオフィス内の基地局経由で電話をかけると,KDDIは内線通話と見なし,転送や保留といった内線電話機能を提供する。

 メリットは,従来の内線電話網と比べて電話の管理にかかるコストを減らせる点。例えば,人事異動やフロア変更があっても,社員が携帯電話を新しい部署に持っていくだけで済み,固定電話機の工事が不要になる。子機登録したau携帯電話がエリア外にいる場合は自動的に転送するため,社内外の電話連絡がすべて端末1台で済む。

 ただしKDDIは,利用料やサービス開始時期については「料金はびっくりするような水準になると思うが,サービス時期も含めて詳細はまだ未定」(田中本部長)と明言を避けた。

 モバイル・セントレックスについては,携帯電話事業者各社が一斉に開発を進めている最中。例えばNTTドコモは4月をめどに,第3世代携帯電話(3G)サービス「FOMA」と無線LANの一体型携帯電話機を販売する計画。この端末は,オフィス内では周囲の無線LANのアクセス・ポイントにつながり,コードレスの内線電話として利用できる。外出先ではFOMA端末として,オフィスとの連絡手段に使える。今春以降モバイル・セントレックスを軸に,携帯電話事業者の法人ユーザー獲得競争が本格化しそうだ。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)