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 NTTドコモは,2月21日朝の「NTTドコモが今夏にも,第3世代携帯電話(3G)サービスFOMAに定額制を導入。今週にも発表する」との一部報道について「具体的に何も決まっていない」とコメントした。今週中の発表の有無についても明言を避けた。

 報道された定額制とは,月額固定の利用料を支払うとFOMA端末でブラウザフォン・サービス「iモード」を利用する際のパケット通信を使い放題にするというもの。同様の定額制サービスとしては,KDDIが2003年11月から3Gサービス「CDMA 1X WIN」で「EZフラット」と呼ぶサービスを導入済み。固定利用料が月額4200円と高めで,対応機種が2機種しかない状況にも関わらず,「開始から2カ月で10万加入を超えた」(KDDI)。

 しかしNTTドコモはこれまで,携帯電話への定額制サービスを否定してきた。動画像など大容量コンテンツを用意して,FOMAのパケット通信量を増やしてきた同社の戦略は大きく揺らぐことになるからだ。NTTドコモの立川敬二社長はKDDIに対して「特に3G用の周波数が足りない中で,特定の人が得をするような使い方をしていいのか」と批判。自社の定額制サービス導入については「他社に追随する気は毛頭ない」と再三否定してきた。

 とはいえ,ドコモが将来的な定額制導入への布石を打ってきたのも事実。同社は実効スループットで2M~3Mビット/秒に達する高速パケット通信システム「HSDPA」(high speed downlink packet access)を,2005年春以降に商用化する計画である。高速化にともなって周波数利用効率も大幅に高まるため,定額制を実現しやすくなる。

 さらに,基地局から先のバックボーン回線についても,トラフィックの急増を見越して大幅に作り変える。現状のFOMAネットワークでは,音声とパケット通信のトラフィックは論理的に分けているものの,実際には音声用とパケット通信用の交換機を一体化した装置でまとめて処理している。HSDPAの導入に前後してパケット通信専用の交換機を新設し,パケット通信トラフィックが急増しても音声トラフィックへの影響が出ないようにする。

 ドコモが今夏FOMAに定額制サービスを導入を始める場合は,まず現行FOMAサービスで実施することになる。年内は先行するKDDIをけん制しておき,来春のHSDPA導入のタイミングで一気に高速かつ安価な定額制サービスを投入する可能性がある。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)