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 NTTドコモ九州は3月5日に会見を開き,販売部門の社員8人が793件の水増し契約をしていたことを明らかにした。ドコモ九州は93年の設立以来,月間純増数が常にプラスを記録してきた。ところが今回の793件がなければ,1月は約300件のマイナスになっていた。

 8人が水増し契約をした背景には,既存ユーザーの解約が思ったより多く,1月は純減の見込みが強まっていたという事情がある。そこで,1月下旬は社員一人ひとりが家族や友人などに声をかけてまわるなど営業体制を強化した。ドコモ九州では「声かけ運動のおかげで,1月下旬に1000台近い契約を獲得できたと思っていた」。

 ドコモ九州は,週明けには水増し契約を行った8人を処分する。水増し契約は,「あくまで8人が個人名義で行ったもの。会社が組織立って指示したわけではない。しかし,管理不行き届きの責任はあるので,上層部の処分も検討している」(ドコモ九州)。

 水増し契約の経緯は次の通り。まず,1月31日に福岡市内の販売代理店2店で,8人が計793件を新規に契約。その際,第3世代携帯電話サービス「FOMA」の端末に内蔵する着脱式のICチップ「FOMAカード」だけを793枚購入した。一人あたり約100契約を結んだものの,端末代金はかからなかった。しかも,ドコモの社員だったので,大量の契約にもかかわらず代理店は不審に思わなかったようだ。

 8人は,2月2日と3日の二日間に793件を解約。月額基本料が安い料金プランを選択していたので,日割りの基本料として各人が負担したのは1万5000円程度だった。

 ドコモ九州など地域会社8社を率いるNTTドコモ(本社・東京)は,「現在,同じような問題がないかどうかを全国でチェックしている。今のところ,九州以外にはない。来週早々にも,結果が分かる」と述べている。

 ドコモ九州の2月の月間純増数は約4500だった。累計ユーザー数は501万3000に達している。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)