NTTドコモは4月8日,大規模災害が起きたときにユーザーの通信手段を確保するため,携帯電話の音声通信とパケット通信のネットワークを別々に制御すると発表した。4月15日から実施する。
現在は,音声通話とメールやWebなどのパケット通信は一括して制御している。そのため,災害が発生して音声通話量が増えてしまうと,パケット通信は通信量が低くても通話の発信制限と同じ利用制限が課されてしまう。
そこでドコモは,音声通話とパケット通信のネットワーク制御を独立させるシステムを導入した。通信に影響を及ぼす恐れがあるときや電話がかかりにくくなった場合などに,音声通話だけ制限することがありうる。これにより例えばNTTドコモが提供中の「iモード災害用伝言板」(iモードのWebを使った安否確認サービス)を利用しやすくなる。
今回のネットワーク制御に対応する機種は,208i/209i/503iの一部,および504i/210i以降。FOMA,821i,DoPa対応端末では利用できない。またドコモは,災害時に被災地で電話がかかりにくくなった場合にiモード災害用伝言板サービスの利用を呼びかけるガイダンスも流すことも発表した。実施日は同じく4月15日。
(山崎 洋一=日経コミュニケーション)