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 麻生太郎総務大臣に対して,ケーブル製造の業界団体が光ファイバの開放政策を見直すよう意見を提出していたことが明らかになった。現時点で,総務省はNTT地域会社の光ファイバと関連設備を,通信サービスの提供に重要な「指定電気通信設備」としている。他事業者にNTT地域会社と同条件での開放を義務付けている。

 提出した業界団体は通信電線線材協会。4月9日付けで「我が国のブロードバンド固定網発展に関わる意見」との意見書を出した。同協会は「NTT地域会社は光ファイバの敷設に投資リスクを負っている。その一方で新興の通信事業者は敷設のリスクを回避している。NTT地域会社が投資へのインセンティブを持てるよう,光ファイバの開放規制を見直すべき」と提出の理由を説明する。

 通信電線線材協会には,光ファイバのケーブルを製造するメーカーを中心とした110社,3組合が加入する。住友電気工業や日立電線,フジクラ,古河電気工業などが名を連ねている。開放義務が無くなれば,NTT地域会社が今よりも積極的に光ファイバを敷設するようになり,光ファイバの消費量が上がるとの狙いだ。なお,意見書では光ファイバの開放義務見直しのほか,(1)光インフラ投資への優遇措置,(2)地域の情報化促進の2点についても求めている。

 総務省は「現在は光ファイバを開放する政策を採っており,うまく機能している。開放政策を変える考えはない」(料金サービス課)と意見書には否定的だ。また新興通信事業者のある担当者は「開放義務を撤廃したからといって,NTTが光ファイバをどんどん引くようになるとは思えない」と困惑顔で語る。

 光ファイバの開放問題を巡っては昨年5月,参議院でNTT地域会社の光ファイバ開放義務の緩和検討などを求めた附帯決議が通過。この附帯決議は衆議院には提出されなかったという経緯がある。この附帯決議は電気通信事業法とNTT法の改正案とともに提出されたものだ。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)