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 有線ブロードネットワークス(USEN)は4月28日,月額2980円と格安なFTTH(fiber to the home)サービスを7月に開始すると発表した。NTT東西地域会社やソフトバンクBBが提供するADSL(asymmetric digital subscriber line)サービスよりも低料金に設定し,新規加入だけでなくADSLユーザーの乗り換えを促す。申し込み受け付けは6月から。

 格安FTTHは,VDSL(very high speed digital subsciber line)技術を組み合わせる「BROAD-GATE01 TypeV」で提供する。TypeVでは,最大100Mビット/秒で通信できる光ファイバ1回線を各棟ごとに引き込み,その光ファイバを各棟内に敷設したLANケーブルや電話回線を使って各戸が共有する構成になる。ユーザーはマンション内の配線システムとして既存の電話回線を流用しながら,最大100Mビット/秒で通信できる。

 USENはこれまでにも,集合住宅内の配線システムとして既存の電話回線を利用できるサービスを,同じTypeVとして提供していた。従来は最大16Mビット/秒だった通信速度を,今回は最大100Mビット/秒に高速化した上で低料金化を図った。TypeVの提供は,1棟の集合住宅で8件以上の契約が見込めることが条件となる。月額2980円は,回線利用料,モデムのレンタル料,インターネット接続料などを含む税込料金となっている。初期費用は9450円かかる。

 今回の月額2980円という料金水準は,同社が独自に実施したアンケート調査を踏まえたもの。月額3000円以下の水準で提供することが,FTTHの爆発的な普及を促すと判断した。低料金化を図ったTypeVでは,営業の対象とする集合住宅の規模を従来の「40戸以上」を「30戸以上」に引き下げた。USENのサービス提供エリアである政令指定都市を中心に,従来の22万棟/508万世帯だった市場規模は,29万6000棟/820万世帯に拡大できると試算している。

 有線ブロードネットワークスは同日,2003年9月~2004年2月までの中間決算も発表した。連結売上高は前期比18.4%増の544億1700万円,前期では赤字だった経常利益は17億200万円の黒字に回復し,増収増益となった。ブロードバンド事業の売り上げは,前期比292.5%増の51億3600万円に拡大したが,営業利益は62億8300万円と前期と同じ赤字にとどまった。USENは,これまでブロードバンド事業の損益分岐点を20万~25万回線としてきたが,今回新たに格安FTTHサービスを開始することから30万回線へと積み上げた。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)