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 NTT持ち株会社,NTT東西地域会社,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は5月14日,2003年度決算を発表した。NTTグループの連結では増収増益を達成。さらに,営業利益が1兆5603億円,純利益が6439億円といずれも過去最高になった。

 順調に収益が増えた理由は,NTTドコモが好調だったことと,東西NTTのコスト削減が進んだこと。NTTドコモの純利益は,前年度と比べて4375億円も増えて6500億円となった。東西NTTは売り上げが減っているのもの,人件費など費用を大幅に削減。NTT東日本が579億円,NTT西日本が615億円の純利益を確保した。NTTコムも売り上げは3.9%減ったが,費用減で純利益は前年度比105億円増の241億円となった。

 NTT持ち株会社の和田紀夫社長は,「短期的に見ると2003年度がピークで,2004年度は右肩下がりになる」と弱気である(写真)。2004年度にNTTドコモが,定額サービスの開始や料金値下げの影響で減収を見込んでいるからだ。「今は,NTTドコモがデータ通信の仕込み,東西NTTがIP電話の仕込みをしている状況。2004年度を何とか底にして,2005年度には2003年度と同様の利益を出せるようにしたい」(和田社長)。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)