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 英ボーダフォン・グループは5月25日,東京証券取引所1部上場のボーダフォンホールディングス(ボーダフォンHD)と,その子会社で国内第3位の携帯電話事業者であるボーダフォンの発行済み株式を取得し,完全子会社化を行うと発表した。発行済み株式の100%を取得した場合,買付金額は5130億円となる。欧米を含めた世界規模で進めている携帯電話事業の戦略を鮮明にすると同時に,国内ではシェア25%の獲得を目指す。

 ボーダフォン・グループは現在,ボーダフォンHDの発行済み株式のうち66.7%を保有している。今回,残る33.3%の株式を市場を通じて公開買い付けする。買付金額は1株当たり30万円で,総額3190億円となる見込み。携帯電話事業会社のボーダフォンについては,発行済み株式のうち39.67%をボーダフォングループが,45.08%をボーダフォンHDが保有している。残る15.25%を非公開で買い付ける。買付金額は,1株当たり237万1164円,計1940億円を見込んでいる。

 買付金額については,ボーダフォンHDの5月24日までの直近3カ月の平均終値をベースに決定した。ボーダフォンHD株式の公開買付期間は,6月8日から20日間を予定している。株式取得後,ボーダフォン・グループは10月1日付けで,ボーダフォンHDとボーダフォンを統合する。存続会社はボーダフォンHDで,合併後に社名をボーダフォンへ変更する。

 ボーダフォン・グループは現在,日本を含む26カ国で携帯電話事業を展開している。今回の完全子会社化が日本国内で経営基盤を固めるための最終仕上げとなった。株式取得後に2社を統合するも,「固定通信部門の売却でボーダフォンHDが必要なくなったため」(ボーダフォンHDおよびボーダフォンのブライアン・クラーク取締役会議長,写真)。

 また,同日,ボーダフォンHDは2004年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年比7.9%減の1兆6557億円,営業利益は同32.9%減の1850億円,経常利益は同33.3%減の1812億円,当期純損益は1000億円の赤字だった。2003年11月の日本テレコム売却で,特別損失として1520億円の売却損を計上したことが響いた。

 一方,同社の本業にあたる携帯電話事業を手掛ける子会社のボーダフォン単体での決算は,売上高は前年比3.3%増の1兆5091億円,営業利益は同24.8%減の1832億円,経常利益は同24.1%減の1818億円,当期純利益は1107億円と同19.7%減少した。減益の理由として,3G基地局増設に伴う設備の減価償却費の増加などを挙げた。

 今期はモバイル・セントレックスを7月に「リーズナブルな価格」(ダリル・グリーン代表執行役社長)で投入するなど法人向けサービスに注力。最終的に,売上高1兆5310億円,経常利益1270億円,純利益1100億円を見込む。

(加藤 慶信,白井 良=日経コミュニケーション)