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 総務省は6月15日,ユーザーが電話を初期に導入する際に支払う7万2000円,いわゆる「施設設置負担金」の見直しについて関係団体を集めて公開ヒアリングを実施した。

 ヒアリングで焦点となったのは,施設設置負担金よりも「電話加入権」の扱いであった。電話を導入する際には,(1)7万2000円の施設設置負担金を支払い電話加入権を入手する,(2)街中や親戚などから電話加入権を譲り受ける,といった二つの方法がある。このほか,2002年に導入された「ライトプラン」もある。施設設置負担金の代わりに毎月640円を支払うものだ。

 電話加入権は,業者によって売買市場が形成されている。現在であれば2万円前後で取引されている。ところが施設設置負担金が廃止されれば,電話加入権の価値がなくなるのは必至。

 こういった背景から,電話加入権の取引業者団体である全日本電話取引業協会は「既存と廃止後の加入者間で負担が大きく変わるのは不公平。そもそもライトプランで加入者の負担は軽減されている」と主張。「見直し議論によって,昨年12月から廃業する会員が増えている」との現状も訴えた。

 また,質屋業団体の全国金融業協同組合連合会/全国質屋組合連合会は,「現時点で合計39万の電話加入権がユーザーから持ち込まれている。これを質権に総額195億円をユーザーに貸し出している」と説明。仮に廃止されたら「ユーザーから資金を回収せざるを得ない」と言う。

 ヒアリングでは,業界以外にユーザー側から日本消費者連盟と日本生活協同組合連合会が意見を述べた。日本消費者連盟は,東西NTTが加入電話網を新規にほとんど敷設していない点を指摘。敷設に充当している施設設置負担金について「原価の根拠自体が消滅している」との疑問を示した。

 今回のヒアリングは電話の基本料と施設設置負担金を議論する「基本料等委員会」内で実施された。今回の会合は4回目となる。議論を重ねて秋には結論を出す予定だ。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)