シスコシステムズは6月16日,従業員数20人~300人規模の中小企業向けに特化したソリューション・サービス「Cisco SMB Class Solutions」を発表した。7月から販売パートナを通じて提供を始める。
これまでシスコは,通信事業者や大企業向けの製品を中心に事業拡大してきたが,ブロードバンド回線の普及を背景にIP電話やセキュリティなどのソリューション需要が中小企業でも急速に高まっていると判断した。「中小企業はITやネットワーク投資に興味があっても,どう進めたらいいのか知らない場合が多く人員も足りない。そこにシスコができることを提供していく」(シスコシステムズの黒澤保樹社長)。
Cisco SMB Class Slutionsは,(1)ルーターやIP電話,無線LAN機器,セキュリティ機器などのシスコ製品を中小企業向けにバンドルしたパッケージ・サービス,(2)IT投資をするための資金調達を解決するファイナンス・サービス,(3)IT投資を支援する教育トレーニング--などで構成される。
それぞれの料金はまだ決まっておらず,「どのくらいの月額料金なら中小企業でも無理なく利用してもらえるのか現在検証中。7月のサービス開始前に具体的な料金を発表する」(黒澤社長)。
(1)のパッケージ・サービスの場合,通信機器を売り切りにするのではなく,レンタルやリースのような形にして月額料金として徴収する。シスコの説明によると,20人規模,50人規模,100人規模など,従業員数に応じたパッケージ・メニューが用意されそうだ。機器類はすぐに使えるように,コンフィグなどを設定済みにして納品し,できるだけ手間がかからないように工夫する。
今回の発表は中小企業向けのサービスだけ。今後,従業員300人~1000人規模の中堅企業向けのソリューションも提供する予定である。
(宗像 誠之=日経コミュニケーション)