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 「インターネットを使っているのは地方ユーザー。1ユーザー当たりのトラフィック量の上位3県は,常に岡山県,富山県,新潟県だ」--ソフトバンクBB(SBB)の倉本義史技術部長は,同社のトラフィックの傾向をこう説明した。インターネット人口が多いのは首都圏。だがインターネットのヘビー・ユーザーは,首都圏ではなく地方に集まっているようだ。

 この発言は,ソフトバンク・グループでIX(internet exchange)サービスを提供するBBIXが7月12日に開催したセミナーのパネル・ディスカッションの席上,飛び出したもの。パネルでは,日本のインターネット・バックボーンとIXの地域分散をテーマに熱い議論が交わされた(写真)。

 インターネットのヘビー・ユーザーは地方に多い傾向がありそうだが,インターネット接続事業者(プロバイダ)間の接続点は東京に1極集中している。総務省が6月にまとめた次世代IPインフラ研究会の報告書によれば,IXの8割が東京に集中。プライベート・ピアリングでは9割以上が東京に集中している。「人口や経済規模の東京と大阪の比率は2対1。インターネットの接続点だけが不自然に集中しすぎている」(次世代IPインフラ研究会を取りまとめた総務省データ通信課の秋本芳徳調査官)と現状を説明した。

 だが,プロバイダにはすぐさま地域分散できない事情がある。ユーザーに割り当てるIPアドレス体系が地域ごとに整理されていないからだ。アドレス体系の見直しは容易ではない。地域同士の通信も,いったん東京を経由する“無駄”が発生している。また,「東京を折り返す分,物理的な距離が遠くなり遅延が大きくなる」(インテックネットコアの中川郁夫取締役CSO)問題も指摘された。

 パネル・ディスカッションには,総務省の秋本調査官,ソフトバンクBBの倉本技術部長,小山海平倉敷ケーブルテレビ技術課長,インテックネットコアの中川郁夫取締役CSOが参加。進行は福智道一BBIX取締役が務めた。

 なおBBIXは既に東京,大阪でサービスを提供中。8月1日から仙台,10月1日から福岡,2004年内には札幌,名古屋でもサービスを開始する予定である。

(山根 小雪=日経コミュニケーション