NTT東西地域会社は9月21日,両社の加入電話とISDNの固定電話サービスにおいて,ユーザーが電話した先とは異なる番号に着信する可能性があることが判明したと発表した。東西NTTの両社のエリアで不具合が発生していた可能性がある。現在は,対策用のソフトウエアを加入者と中継用の全交換機に投入。新たな不具合は起こっていないという。
不具合は,電話交換機へのトラフィックが多い状況下で以下の条件が重なった場合に発生する可能性があるという。
具体的には,(1)あるユーザーAが,ユーザーXに発信後すぐに切断,(2)ユーザーAの切断と同時に,ユーザーBがユーザーYに発信。この際に,ユーザーAからユーザーXに電話をつなぐ処理を,誤ってユーザーBにつないでしまうことがあるという。
東西NTTに不具合の報告があったのは昨年11月。大阪エリアのユーザーから「本来の着信先とは異なる電話番号につながったのではないか」という指摘があった。その後,交換機の故障やソフトウエアのチェックを行い,原因を究明。最終的に,今年の8月に上記の不具合が発生することを確認した。
東西NTTによると「昨年11月の以前も発生していた可能性がある。発生件数については把握できていないが,大阪エリアで13件の申し出があった」という。実際には,1989年に電話番号などの情報を網や交換機間でやり取りする「共通線信号方式」を導入した以降,今回の不具合が発生する状態が続いていたという。
なお,東西NTTはIP電話サービスで違うユーザーに着信する恐れがあると8月末に明らかにしている。ユーザー端末に搭載するソフトウエアのアップデートを現在も実施中である。両社が提供するIP電話サービスではなく,提携インターネット接続事業者(プロバイダ)のIP電話サービスが対象である。