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 ADSLなどDSL技術について話し合う情報通信技術委員会(TTC)のスペクトル管理サブ・ワーキング・グループ(SWG)は11月19日,19回目の会合を開催した。ここ数回,ADSL(asymmetric digital subscriber line)の新しい干渉ルール「JJ-100.01 第3版」の制定に向けた議論が紛糾しているが,今回も話はほとんどまとまらず,多くの課題を持ち越した。

 今回は,ソフトバンクBBとアッカ・ネットワークスによる「導入判定基準値」という干渉に関する提案の是非を巡って議論が集中した。これは,新しいADSLサービスの干渉の影響で既存のADSLユーザーに大幅な速度低下を招かないように,新規サービスに“入学試験”のような制限を加えようというもの。将来,回線や新サービスがこれまで以上に増えることで,ADSLの速度が今より落ちることを懸念しての提案だ。

 具体的には,ADSLの自己干渉の影響だけを考慮した理想的な速度値と,ISDNの干渉など影響を最大限考慮した速度値の間に,「将来にわたって既存のユーザーにここまでの速度は保証する」(ソフトバンクBB)という値を定める。これが導入判定基準値となり,これ以上干渉の影響を及ぼす新規ADSLサービスは認定しない。

 ただし,導入判定基準値をどのように決めるのかで議論は大いに紛糾。技術的な根拠が必要か,それとも事業者間の合意で任意に決めた値でよいのかで,意見は二分した。また,ソフトバンクBBらが導入判定基準値を「あくまで業界の目標値」としたのに対し,長野県協同電算は「標準の規制としなければ意味がない」と主張。結局,提案はいったん引き下げられ,次回までに再提案することになった。

 JJ-100.01 第3版は12月にはドラフト案をまとめる予定。ソフトバンクBBらの提案を第3版に盛り込むのはきわめて難しくなった。