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 沖電気工業は1月28日,2004年4月~12月までの連結決算を発表した。売上高は対前年同期比11.7%増の4784億円。経常利益は17億円,営業利益は64億円といずれも黒字に転換した。前年同期はそれぞれ5億円,70億円の損失だった。2004年度第3四半期(2004年10月~12月)だけを見ても好調で,売上高1587億円,経常利益23億円,営業利益49億円で,いずれも前年同期を上回った。

 特に通信分野の回復が目立つ。前年同期の売上高は694億円,営業損益は26億円の赤字だったのに対し,今期は売上高が895億円,営業利益は26億円と大幅に改善した。これは通信事業者がIPネットワーク関連への投資を拡大したため。具体的には「地域IP網のビジネスが増えたこと,既存の電話のIP化,(ブロードバンドの普及による)セットトップ・ボックスなどの端末需要の増大」(田中和男・専務取締役,写真)などを挙げた。

 通期についても,通信分野は引き続き堅調に推移し,売上高も増加傾向にあると予測。2004年3月期の通期売上げが1046億円に対して,2005年3月期は1300億円と増収を見込む。

 同社の前田裕・常務取締役は,通信事業者の光・IPインフラ投資が今後さらに加速するとした上で,「GE-PON(gigabit ethernet-passive optical network)の開発では先行しており,既に一部のキャリアに納入してテスト運用を始めている」と同社が有利な状況にあることを強調。「今後6年間でONU(opticak network unit)については市場シェア20%は獲得したい」(同氏)とした。ただし,加入者収容装置であるOLT(optical line terminal)については明言を避けた。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション