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 ライブドアは2月8日,AMラジオ放送局のニッポン放送の株式を35%取得したと発表した。同社は既に5%を保有していたが,今回,約700億円の資金を投入,保有率を上げた。子会社のライブドア・パートナーズを通じて,株式市場で同日に取得したという。3分の1以上の株式を保有することとなり,重要事項決定への拒否権を持つ。

 ライブドアの堀江貴文社長は株式取得の目的を「インターネットと既存メディアを融合させること。メディアへの参画は2年前から興味を持っていた」と語る。そして「せっかく膨大なユーザーにリーチできるメディアを持っているのに,ラジオやテレビ局のWebサイトは番組の情報ばかり。専門家からするとインターネットをフルに活用していない」(同)とメディア企業のインターネット活用が遅れていると指摘する。

 具体的な方策については「Webサイトで番組以外の物品の販売や金融ビジネス。Webメールや掲示板,オークションなどのサービスを提供すればいい。こうすることで,ユーザーがサイト内に滞留するようになる」と構想を披露。

 堀江社長は,これらを実行すべく同日ニッポン放送の亀渕昭信社長を訪問し,業務提携を申し込んだ。しかし,ニッポン放送側は現在フジテレビジョンによる同社株式の公開買い付けが進行中のため,ライブドア側に明確な意志を示すことができなかったという。

 ライブドアのメディアへの参画はソフトバンクによるテレビ朝日の買収劇をほうふつとさせる。ポータル・サイトやプロ野球など符合するビジネスも多い。

 ただしソフトバンクの本業である通信インフラへの参入について堀江社長は「固定課金が普及した現在はリスクをとるほどの,リターンが見込めない。数十億の投資しか見合わないのでは」と否定的な見解を示す。英国のバージン・モバイルのようにMVNO方式で網を借りて参入することには興味を示したものの,「現時点で計画しているわけではない」(同)とした。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション