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 ノーテルネットワークスは,今年下半期にメッシュ型無線システム(アクセス・ポイント同士が無線通信してデータを伝送していく仕組み)を日本市場に投入する。日本法人で無線システムを担当するマルコス・ムバイエデ氏(写真)は,キャリアIPコアソリューションズワイヤラインネットワークス担当のシニアアーキテクト。同社のメッシュ型無線の特徴と,日本市場での今後の予定を聞いた。

--ノーテルの「Wireless Mesh Network」はどういうソリューションか。

 無線規格にIEEE 802.11を採用するメッシュ型無線のシステムだ。無線アクセス・ポイントである「Wireless Access Point 7220」(AP7220),APを制御する「Wireless Gateway 7250」(WG7250)通信障害を確認したりできる管理システム「Optivity Network Management System」で構成する。
 メッシュ無線は,すべてのAP7220へ配線する必要がないのが特徴。アクセス・ポイントは無線中継の役割を兼ねるためだ。どれか1台を有線につないでおけばよい。AP7220同士は802.11a,APとパソコンなどの端末は802.11b/gで通信する。AP7200一つ当たりのカバー範囲は,最大半径597m。AP間は最大586mまで通信可能。AP7220一基で,64ユーザーまでサポートする。

--このソリューションはどういう場所に向くと考えるか。

 大学や企業,通信事業者,地方自治体など多岐にわたる。取り付けや撤去がすぐにできることから,イベントなど短期間の用途で使う方法もあるだろう。海外では,世界最大と思われるメッシュ型無線のサービスで使うシステムとして採用され,構築が進んでいる。

--採用事例の場所はどこで,最終的にどの程度の規模になるのか。

 台湾の台北市で,通信事業者のキューウエア・システムズが提供する無線LANアクセス・サービスのプロジェクトだ。AP数は1万で,人口の9割をカバーするのが目標。4月から設置済みの1000個のAPでサービスを始め,順次エリアを拡大していくことになるだろう。台湾の高雄市では警察,交通,消防などが使うAP数が200規模のプロジェクトでも採用される。 

--既に他国では販売しているが,日本で未発売の理由は。

 AP間の通信が,日本で未開放の5.470G~5.725GHz帯を使っているためだ。我々は,この周波数帯は今年後半に開放されると期待している。後半には日本でもリリースする予定だ。このほか,屋内用のメッシュ型無線システムを6月にリリースする予定もある。こちらは5.250G~5.350GHzを使うシステムだが,この周波数帯は日本でも規制緩和で使用可能になると聞く。

--耐障害性やセキュリティ,モビリティ(移動性)は確保できるのか。

 Wireless Mesh Networkは,ルーティング・プロトコルであるOSPF(open shortest path first)を使って経路制御をする。いずれかのAP7220に障害が起きても,自動的に代わりとなる経路を設定する。メッシュを構成する各AP7220とWG7250の間では,IPsec(IP security protocol)のトンネルを設定し,モバイル端末とAP7220の間はWPA(Wi-Fi protected access)を使う。これで盗聴防止といったセキュリティを確保している。モビリティの維持に関しては,Mobile IPに近い独自仕様の技術を使って,最寄りのAP7220と通信する仕組みを備えている。

--ノーテルはWiMAX Forumのメンバーだと聞いているが,WiMAXへの取り組みの状況は。

 今は自社でWiMAX製品を作っていないので,提携する米アペルト・ネットワークスの製品を紹介している。ゆくゆくはWiMAX製品を作る。メッシュ無線ソリューションに補完としてWiMAXを取り込むことも検討中だ。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション