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 イスラエルのアルバリオンは,無線システムのベンダー。IEEE 802.11aの到達距離を10km程度に伸ばした製品などを提供している。デジタル・デバイド解消手段として多くの引き合いがあるという。

 また同社は,次世代の無線LAN規格であるWiMAXも推進。WiMAXの固定通信向け仕様に準拠した製品を既に海外で販売中だ。アルバリオンジャパンの福岡伸治セールスマネジャー(写真)に日本での現在と今後の事業展開を聞いた。

--どのような無線システムを日本で販売しているのか。

 一つは,5.03G~5.09GHz帯で通信規格にIEEE 802.11aを使う屋外用無線システム「BreezeACCESS VL」だ。大手の通信事業者が採算面でブロードバンドを提供しそうにない地域に向いている。電波の到達範囲は,120度角の指向性があり10kmほどにもなる。通信速度は最大29Mビット/秒程度。基地局1基に512ユーザーまで接続できる。
 電波の届く距離が長いため,光ファイバを各家庭まで敷設するよりも低コストで無線ブロードバンドを提供できる。コストをFTTHの10分の1と試算したケースもあるほどだ。基地局である「親機」と家庭に取り付ける「子機」が必要だが,価格は親機が70万~100万円程度,子機は高くて17万円ほどだ。

--同じ周波数帯を使う他社製品もあるが。

 5.03G~5.09GHz帯を使う,より安価な他社製品もある。だが単体の価格だけで比較してはいけない。我々のシステムは,親機一つ当たりでカバーできる範囲が他社製品より大きいからだ。親機の出力は一緒だが,子機が違うためにこうした差がつく。親機と子機の両方にライセンスが必要だが,こうした製品を他社は出していないのではないか。
 北海道小清水町は,近く我々の製品を使って5GHz帯の無線ブロードバンド・サービスを開始する。ほかに10カ所ほどサービスを予定している地域がある。デジタル・デバイドを解消する手立てがないと思っている方々は,我々の話を聞いていただきたい。アルバリオンは,デジタル・デバイドのソリューションになると信じている。

--WiMAXに関する取り組みの近況を教えて欲しい。

 海外では,固定系のWiMAX規格であるIEEE802.16-2004を3.5GHz帯でサポートする「BreezeMAX」を提供している。またアルカテル,ルーセント・テクノロジーズとはOEM契約を結んでいる。このうち日本のルーセントとは,国内でのWiMAXに関する営業展開について協議しているところだ。
 WiMAXに関して情報交換を始めている国内の通信事業者もある。WiMAXに大いに興味を持っているようだ。今後の実証実験や他社の動向を通じ,検討が進んでいくのではないか。私見だが,通信事業者は移動系のWiMAXである802.16eに興味を持っているようで,移動系に照準を当てているのではないか。
 BreezeMAXは,BreezeACCESS VLとは全くターゲットが違ってくるだろう。我々は通信事業者に販売することになるため,通信事業者がどこにターゲットを向けるかによる。

--BreezeMAXとBreezeACCESS VLの違いは。

 BreezeMAXとBreezeAccess VLの違いは,WiMAXに準拠しているかいないか。使っている技術は一緒だ。日本では3.5GHz帯が開放されていないが,アルバリオンは日本の仕様や周波数が決定すればすぐに導入可能な体制にある。もしかしたら,BreezeMAXを日本向け仕様にして提供することになるかもしれない。

--同分野のベンダーに対して,アルバリオンが持つ優位性はどこか。

 「近距離から広域まで,見通し外の環境下でも高速通信を実現できる」ことだ。見通しがなかったり悪い場合でも安定した高速通信が可能。しかも無線のカバー領域は,かなり広範までサポートすることが可能であるためだ。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション