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 シスコシステムズは5月18日,通信事業者向けルーター製品のポートフォリオを発表した。今回新たに公表したのは,ルーター「Cisco XR 12000シリーズ」,「Cisco 7604」の新製品二つと,インタフェース・カードにかかわる新機能「I-Flex」の計3点である。いずれも通信事業者の固定電話網からIPネットワークへの移行を意識したもので,追加投資を抑えつつ,広帯域化や信頼性向上を実現するというのがコンセプトだ。

 Cisco XR 12000シリーズは,既存のCisco 12000シリーズにシスコの新ルーター用OSでこれまで最上位機種「CRS-1」にしか搭載していなかった「IOS-XR」を乗せたもの。今後は既存のCisco 12000シリーズも,IOS-XRへのアップグレードを可能にする。Cisco 7604は,4スロットでサイズは5UとCisco 7600シリーズの中ではコンパクトな製品。スループットは最大320Gビット/秒である。

 I-Flexは,インタフェース・カードをポートごとに分割して使えるようにする「Shared Port Adapter (SPA)」と,きょう体に追加しインタフェース・カードを制御する「SPA Interface Processor (SIP)」いう二つモジュールで構成する。例えば,10Gビット/秒のイーサネット・カードは4ポートのものだと数千万円するが,通信事業者が新しいきょう体を導入する際には1ポートしか必要ないとする。きょう体にSIPを追加しておき,インタフェース・カード側は1ポート分だけSPAモジュールを差し込めばいい。使うポート数を追加する際には,ポート数分のSPAモジュールだけ購入する。通信事業者の初期投資コストの負担を軽減するとともに,段階的に投資できるメリットがある。

 Cisco XR 12000シリーズは基本的な構成のもので参考価格844万4000円から。Cisco 12000シリーズ用のアップグレード・キットは,参考価格177万2000円から。Cisco 7604は最小構成価格が621万5000円から。Cisco I-Flexは表示価格52万1000円から。Cisco XR 12000シリーズは2005年7月から販売を開始する予定で,その他は2005年6月に販売開始する。

(山根 小雪=日経コミュニケーション