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 「Office Wiseも含めて4種類の内線音声サービスを検討している。将来的にはPush to Talkサービスも提供したい」――。KDDIのモバイルソリューション事業本部モバイルソリューション商品開発本部長の山本泰英氏は,東京・池袋のサンシャインシティ文化会館で開催中の「IPテレフォニー&ケータイソリューション2005」の講演でこのように発言。同社のビジネス向けのモバイル戦略に,会場を埋め尽くした多数の来場者も熱心に耳を傾けていた。

 講演の最初に山本本部長は携帯電話市場の現状を紹介。契約者数が8000万人を超え,端末の伸び率がどんどん落ちてきているとした。KDDIの戦略として,今後の成長が見込まれる自動車と法人企業という二つの大きなマーケットに対して,同社のモバイル・ソリューションを積極的に提供したい考えを示した。

 法人市場に関しては,「2004年までは外勤者向けの“もしもし,はいはい”の音声用途の契約がほとんど。現在は外勤者向けのデータ通信を使ったアプリケーションの利用が増えてきたところ」(山本本部長)と説明。これからは,「外勤者よりも市場規模が大きい,内勤者向けのモバイル・ソリューションにも注力する」(山本本部長)とターゲットを明確にした。

 同社は内勤者向けのモバイル・ソリューションとして,au携帯電話機を内線電話の代わりに利用できるモバイル・セントレックス「Office Wise」を既に提供している。これに加えて,(1)au携帯電話間で通話が安くなるグループ割引系のサービス,(2)無線LANと携帯電話のデュアル端末を使ったNTTドコモ型のモバイル・セントレックス,(3)トランシーバのように1対多の通信ができるPush to Talkサービス,の3種類の内線音声サービスを検討していることを明らかにした。

 中でも最後のPush to Talkは,日本ではまだ登場していないが,欧米を中心にブレイクしつつある通信サービス。山本本部長は,「ビル内では内線電話の代わりにも使える。いつかはKDDIのソリューションとしてぜひ提供したい」と力強く語った。

●FMCを実現するのはKDDIの使命

 講演の最後に山本本部長は,固定通信と移動体が融合したいわゆるFixed Mobile Convergence(FMC)について同社の展望を紹介。「FMCは現時点において日本国内で固定事業と携帯事業を唯一持っているKDDIが,やらなくてはならないサービス」(山本本部長)とし,実現に向けて具体的な検討を開始していることを示した。

 同社は電話網をIP化する方針を2004年に明らかにしている。今回はそれに加えて,固定網と携帯網を融合したイメージも披露。具体的には,携帯電話用のIP網と固定電話網用のIP網の上位層に次世代ネットワークを構築し統合する像を描いて見せた。

 このような固定と携帯が融合したネットワークが実現した際には,「電話をかける側とかけられる側の状態を網が管理する世界がくる。例えば,最も安い通信手段を網が自動的に選択することも可能になる」(山本本部長)と語り,FMC実現のメリットも強調した。



5月19日~20日、サンシャインシティ文化会館(東京・池袋)で開催(日経BP社主催)。
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