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 千葉工業大学と富士通,大日本印刷は6月22日,同大学が採用した非接触型の手のひら静脈認証技術とICカードを使った本人確認システムの概要を発表した。手のひらの静脈情報を記録したICカードを学生証として発行し,7月1日から同大学の学生の成績情報などの個人情報閲覧の際の本人確認に使用する。「東京大学医学部附属病院が入室管理に手のひら静脈認証を利用している例はあるが,学生証の本人確認として利用する例は初めて」(富士通文教ソリューション事業本部ソリューション統括部の二村康成氏)という。

 千葉工業大学が採用した本人確認システムは,富士通が開発した「非接触型手のひら静脈認証技術」を使用している。手のひらの静脈パターンを非接触で読み取り,学生証に登録済みのパターンと照合する。「非接触なので指紋認証などと比べて心理的な抵抗が小さい点が決め手となった」(千葉工業大学教務課の小川靖夫課長)という。学生証として発行するICカードには,大日本印刷が開発したJavaカードとFeliCaカード双方の機能を持つ「FeliCa対応デュアルインターフェースJavaカード」を使用している。

 同大学では,手のひらの静脈情報を記録できるICカードを,学生証として既に学生に配布済み。7月1日からそのICカードに静脈情報を登録してもらい,本人確認システムの本格運用を始める。「このシステムの導入は学内全体の情報セキュリティ強化施策の一つだが,学生の個人情報保護に対する意識を高めてもらうという教育目的も大きい」
(小川課長)。

 7月1日から開始する個人情報閲覧サービスは,キャンパス内の5カ所に置かれる「KISS(Kyoumu Interactive Support System)」(写真)と呼ぶ端末に学生証を挿入し,端末の右側に付いている静脈情報読み取り装置に,手のひらを数秒間かざすことで本人確認をする仕組みになっている。

 今後はさらに用途を広げる予定で,今年度中に学内パソコンのログイン,自動証明書発行機の本人認証に対応するという。来年度以降は,教職員へもサービス対象を拡大し,実習室などへの入退室管理,授業の出欠,図書の貸し出しなどに適用していくとしている。

なお,非接触型手のひら静脈認証技術導入のコストについては「生体認証のない認証システムと比べて,1~2割ほどアップする程度」(小川課長)という。

(中村 良輝=日経コミュニケーション