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 新潟県や北陸地方では豪雨による浸水や土砂崩れなど被害が出始めている。これに対処するためNTT東日本は6月28日,新潟県の中越・上越の一部地域で「災害用伝言ダイヤル」の運用を始めた。「171番」をかけることで安否確認のメッセージを録音したり聞いたりできる。171番は昨年10月に発生した新潟県中越地震で多く利用され,その効果が証明された。171番をはじめとするNTT東日本の災害対策責任者であるネットワーク事業推進本部サービス運営部災害対策室の東方幸雄室長(写真)に注意すべき点を聞いた。(聞き手は市嶋 洋平=日経コミュニケーション

――171番の利用動向について教えてほしい。

 災害用伝言ダイヤルは昨年の新潟県中越地震の以前はあまり使われていなかった。具体的には,運用を始めた1998年3月から,新潟県中越地震が発生する直前までの利用は合計で65万件。これが新潟県中越地震では35万4700件もの利用があった。それまで6年半の合計の半分以上だ。

――新潟県中越地震ではなぜ171番の利用が増えたのか。

 大きな地震災害であったということがあるが,これ以外にテレビをはじめとする報道機関が資料映像やコメントとして171番の利用を周知をしてくれたことが大きかった。たまたま新潟県中越地震が発生する少し前,報道機関のアナウンサーに171番の使い方をレクチャーしていたことも利用につながったと思う。

――実際に171番が大規模に使われた結果から学んだことは何か。

 新潟県中越地震では,実は被災地からの情報発信が少なかったのが気にかかっている。

 35万4700件の利用のうち,何かしらのメッセージを録音したものは11万2000件だった。そしてこのうち,新潟県内からのものが16%。残りの84%が新潟県外からのものだった。

 これは推測するに新潟県外からの84%は被災地にいる知り合いに「元気だったら連絡をください」といった内容のメッセージを録音したものと見られる。全国にいる複数の知り合いが,被災地の住民の電話番号をキーに何件も録音したのだろう。この状況をなんとか変えたい。

――ではどのように171番を利用するのがいいのか。

 やはりもっと被災地の方に171番を積極的に利用してもらえればと思う。無事であったら携帯電話や臨時の仮設電話などを使ってメッセージを録音してほしい。

 というのも,災害用伝言ダイヤルに録音して登録できるメッセージの容量は最大800万件。新潟県中越地震ではまだ余裕があったが,例えばケタ外れに多い住民が居住する首都圏での災害では足りなくなるだろう。全国から,それぞれの知り合いにメッセージを入れる可能性があるからだ。

 メッセージの容量を増やせばいいという議論もある。ただ,数千万件や1億件まで増やしてもそれで十分とは言い切れない。そもそもシステムを拡張には実際に費用がかかる。

 システムとして被災地の外からの録音を規制する機能もあるが,まずは被災地の方から率先してメッセージを録音して安否情報を発信してほしい。