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 ファミリーマートは,7月に全店の店舗情報システムを統合刷新した「光ファイバー・ネットワーク」の構築を発表,2006年9月から3カ年で順次約6500の国内店舗と本部を光ファイバ網で接続する。現在ISDNおよび衛星回線を使っている店舗情報のやりとりを光ファイバ網に置き換える。同社常務執行役員の小部泰博システム本部長(写真)に,光ファイバ導入の目的,今後の展開を聞いた。

――光ファイバ網はどの事業者から提供を受けるのか

 現在,NTTコミュニケーションズ,NTT東日本/西日本,パワードコムから提案を受けている。Bフレッツを採用するかどうかは最終的にはまだ決めていないが,8月中旬までには事業者を決定する。パワードコムの場合,日本全国の当社店舗をカバーできないが,その場合を想定してNTT地域会社などの光ファイバと組み合わせた提案を受けている。

――2006年9月から移行を開始する理由は

 国内約6500店舗のうち,95%の店舗が既にFTTHのサービス・エリアに入っている。こうした光ファイバの普及が背景にある。その上で,一般家庭がブロードバンド化していく中,既存店舗が使っているISDNのままでは,提供できる情報サービスが家庭でできることより見劣りしてしまう。「eビジネス」を推進する当社としては,サービスの基盤強化が必要だった。

 また,各店舗に設置しているストア・コントローラなどの機器の更新時期も重なった。ブロードバンド化で店舗情報のセンター集中が進む。そうなると今以上に“リッチなクライアント”は必要はない。そのため,例えば店舗側に設置する記憶装置はブロードバンド化によって小容量にできる。機器コストが削減できるため,1店舗当たりの投資金額も減ることになる。

――光ファイバの移行にともなうコストは

 2006年から3カ年で新店舗などへの投資も含めたトータルの投資額は400億円になる。通信コストは,現在1店舗あたり月額2万円から2万5000円かかっている。これに加えて銀行ATM用のネットワークの費用が別途かかる。

 光ファイバ網へ移行しても,この月額の通信コストはほぼ変わらないと見ている。また,今後,信頼性を見極めた上で,銀行ATM用のネットワークも光ファイバ網に統合する計画。これを含めれば月額の通信コストは下がる。

――光ファイバ導入でどのようなサービスを実現するのか

 リアルタイム性を追求したサービス提供が可能になるのが光ファイバ網のメリット。4,5年前から当社ではネットワークを使った各種サービスを模索してきたが,光ファイバの普及でその基盤が整った。地域の情報拠点としてコンビニへの光ファイバの導入は必然だ。

 まず,新サービスというよりも,従来提供しているサービスが今よりも充実する。例えば既に提供している楽曲のダウンロード・サービスの時間が短縮する。それだけではなく,コンテンツを充実させることも可能になる。映像などのダウンロード・サービスなどが考えられる。

 商品在庫の削減にも光ファイバ網が寄与する。現在,各店舗のPOS(販売時点情報管理)システムによる売上げ情報などは翌日8時に各メーカーと共有しているが,ブロードバンド化で今よりもリアルタイムに情報をやり取りできる。例えば火曜日の午前に投入された新商品の情報を,その日の午後に各メーカーと共有できれば,次の生産ロットをどうするかといったことを今より迅速に判断できる。その結果,中間在庫が圧縮できる。

 現在,セコムと共同で遠隔監視システムなども導入しているが,光ファイバ導入でさらにリアルタイムな保守・監視などが可能になる。深夜まで営業している点を生かし,地域のセキュリティ・ポイントのような役割もコンビニが担えるようになるだろう。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション