PR

日立総合計画研究所・編

 2005年2月24日、IT戦略本部が「IT政策パッケージ-2005」を決定しました。これまでにもIT戦略本部は、e-Japan戦略e-Japan戦略IIといったIT戦略の着実な遂行のためにさまざまな取り組みを行ってきました。例えば、毎年のように「重点計画」を実施し、2001年には「e-Japan2002プログラムの加速・前倒し」を、そして2004年に「e-Japan戦略II加速化パッケージ」を策定しています。いずれも、我が国が2005年までに世界最先端のIT国家となるための、政府の取り組みの枠組みであると言えます。

 しかし、今回の政策パッケージは、二つの点で従来の政府取り組みとは異なる特徴を持っています。第1の特徴は、利用者である国民や企業の視点を従来以上に意識している点です。例えば、利用者視点は章立てにも現れています。2004年発表の「e-Japan戦略II加速化パッケージ」や「e-Japan重点計画-2004」では、最初に挙げている分野は国際戦略という、利用者にとっては身近とは言えないものでしたが、今回の政策パッケージでは行政サービス、医療、教育と、国民にとって関心が高い分野が最初に挙がっています。

 第2の特徴は、PDCAサイクルの考え方を採り入れている点です。これまでの取り組みに対する評価を踏まえて改善策を策定し、次の立案に結びつけるというPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルは、IT戦略本部の評価専門調査会が2004年3月の評価報告書で導入を提唱したものです。評価専門調査会がこれまでに計3回の評価報告書を発表しており、今回の政策パッケージはその中の改善に向けた提言の多くを採用しています。

 具体的には、今回の政策パッケージでは、(1)行政サービス、(2)医療、(3)教育・人材、(4)生活、(5)電子商取引、(6)情報セキュリティ・個人情報保護、(7)国際政策、(8)研究開発を政府が重点的に取り組む8分野として挙げています。その中でもとりわけ利用者の視点に踏み込んでPDCAサイクルを採り入れている分野が行政サービスです。

 行政サービスは、利用者がITの利便性を実感することが期待できる有望分野です。そのためにこれまで政府/地方自治体はIT投資を重点的に行い、例えばLGWAN住基ネットといったIT基盤を整備してきました。ところが、2005年というIT戦略の目標年を迎えても、利用者である住民や企業がこうした取り組みの恩恵を十分に感じることができていないのが現状です。そこで今回の政策パッケージでは、こうした問題意識の下で、利用者視点に立って取り組みを重点化しています。

 例えば、企業の視点に立ち、企業にとって負担となっている手続きを洗い出して、添付書類まで含めたオンライン化や処理期間の短縮、手続きのワンストップ化などの取り組みを実施する予定です。また、住民の視点に立ち、生活に密着した行政サービスのオンラインでの提供促進も取り組みの一つです。なお、これらの取り組みは、評価専門調査会の評価報告書(2004年3月、9月)の提言を受けた内容になっています。今回の政策パッケージにある取り組みを政府/地方自治体の協力の下で着実に実施することにより、2005年度末には利用者が便利になったと感じることができるのではないでしょうか。