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■まずはリアルの場で。それを補完、補強するのがIT

清原氏写真

──8月に電子会議室「eフォーラム(注1)をスタートさせましたね。

清原 ちょうど今年は、市と市民とのパートナーシップ協定に基づく協働の取り組みで作り上げた「第3次三鷹市基本計画」(注2)の改定の年度に当たっています。そこで、より幅広く市民の皆さんの意見を反映するために、直接皆さんに説明をしてご意見をいただく機会を補完する仕組みとして、ITを活用した市民参加をスタートさせたわけです。

──2001年に「第3次三鷹市基本計画」を作り上げる過程で、三鷹市では電子会議室を試験導入しました。しかし、あまり活発ではなかったと聞いています。

清原 当時はネットワークだけで意見を伝える必要性を、市民の皆さんがあまり感じていなかったのではないかと思います。三鷹市は面積16.5km2、人口17万前後という比較的コンパクトな自治体です。しかも、「みたか市民プラン21会議」という375人ものメンバーが公募で参加した市民会議が活動していましたし、各地域でフェイス・トゥ・フェイスで意見を言える場も多岐にわたって用意されていましたから。

 しかも、当時はインターネットも今ほど普及していませんでした。今年4月に実施した市民アンケートでは、インターネットを「よく使っている」人が41.8%、「時々使っている」人が21.4%で、合計63.2%の人がインターネットを使っているという結果が出ています。2000年2月に同様の調査を実施した時には、「よく使っている」人が23.9%、「時々使っている」人が14.6%で合計38.5%でしたから、ずいぶん普及が進んでいることが分かります。

 市のホームページへのアクセス件数を見ても、1998年度は約3万9千件だったものが、2003年度は約45万件になっています。この6年間で、アクセス件数は12倍近く増えたことになります。

 ですから、そういう状況であるならば、一人でも多くの市民の皆さんに市政への関心を持っていただく、参画していただく、まちづくりにおける協働のパートナーとなっていただくために、いろいろな場面で積極的にITを活用したいと思っているわけです。

──「eフォーラム」はリアルの場で行われたシンポジウムと連動させているのが特徴ですね。

清原 三鷹市というのは、フェイス・トゥ・フェイスで市民が出会える基盤ができていますし、そうした機会を拡充することが原則です。ですから、電子会議室だけで何かをしようという発想は今もありません。

 協働を進める過程では、直接同じ場にいることが、本当に意味を持ちます。このことをきちんと認識することが大切です。説明会や意見交換会、あるいは審議会や研究会など、行政と市民の皆さんが「時間」と「場」を共有し、そこで出てくる意見や要望、相互理解というものを、やはり第一義的に尊重したいと常に思っています。

 こうした認識を基礎としながら、それをITで補完していく。電子会議室も、どちらかと言えば「代替」よりは「補完」あるいは「補強」という観点からの取り組みです。電子会議室があることによって出やすくなる意見もあるでしょうし、「市に意見を言ってみようかな」と思う人が増えてくれば、それは市にとって心強いことなのです。

──「心強い」というのは?

清原 意見というのは、言いっ放しでは終わりません。意見を言った人は、それがどう政策や事業に反映されたか、さらには、どのような効果を上げたかまで見届けたいわけです。それが市民からの期待であり、市民の責任だと思いますし、そういう期待や責任を持って市政に関わるような市民を増やしていくことが、市の責務であると思います。ITの活用も、そうした市民の皆さんを増やしていくための取り組みとして考えていきたいのです。


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(注1) eフォーラム
第3次基本計画の改定を進めるための懇談会や会議などに参加しにくかった市民の意見を計画に反映するために開設した電子会議室(URLはhttps://www.esanka.jp/)。
「eシンポジウム」(計画改定に向け、市民が参加するリアルのイベント「まちづくりシンポジウム」のビデオ映像と議事録を後日インターネット上で公開し、その発言に意見を投稿することができるシステム)と、「eコミュニティカルテ」(電子地図上にまちの魅力や課題を投稿し、電子会議室で意見交換を行うシステム)で構成される。「eコミュニティカルテ」は、2004年10月1日から運用開始予定。これら市民参加支援システムの構築は、三鷹市と、東京大学(大学院工学系研究科社会連携推進室)、NTTデータがパートナーシップ協定を締結し、共同で開発・実施している。

(注2)第3次三鷹市基本計画
2001年11月28日確定。公募で集まった375名の市民で構成された「みたか市民プラン21会議」による提言「みたか市民プラン21」を受けて作成された。清原市長は当時、「みたか市民プラン21会議」の共同代表を務めていた(3人の共同代表のうちの一人)。