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     ╋BizTech Special【電子自治体】メール╋ 第23号 2003/9/4
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 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━  目 次  ━━━━━━━━━━━━━━┓
     【1】「本格的に動き始めた電子自治体」ウェブ新着ダイジェスト
      ── 『日経パソコン』 e都市ランキング 2003  ほか
     【2】電子自治体NEWSピックアップ
     【3】ニュース解説:安延申の「注目NEWSのツボはココ」
                   ── 総務省が「平成16年度IT政策大綱」を発表
     【4】KEYWORD解説:「住民基本台帳カード(住基カード)」
     【5】コラム:橋本典明のIT化ってどういうコト?
                        ── サイバースペース上の国家安全保障とは(3)
     【6】注目のセミナー&イベント
     【7】編集後記
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     ┃【1】「本格的に動き始めた電子自治体」新着ダイジェスト   ┃
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 ●スペシャルレポート・『日経パソコン』 e都市ランキング 2003  8月27日公開
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 ■全国2640自治体の情報化ランキングを発表

 『日経パソコン』は、自治体の情報化担当者へのアンケートを基に、「行政の情報
化」の進展度を比較する「e都市ランキング 2003」をまとめた。調査対象は全国の市
町村に東京23区を加えた3209自治体。回答を寄せた2640自治体について、情報化への
取り組みを得点化し、ランキングを算出した(回収率は82.3%)。
 ランキング結果からは、Webサイトを利用した行政サービスの提供や庁内業務の情
報化などに積極的な自治体がある一方で、サービスの提供やセキュリティ対策などで
遅れをとる多くの町村が存在する実態が明らかになった。

■e都市ランキング2003 総合TOP5 
総合順位 自治体名     人口  総合得点
1   三鷹市(東京都)   165615     93.5
2     岐阜市(岐阜県)   401269     90.0
2     岡山市(岡山県)   621809     90.0
4     神戸市(兵庫県)  1478380     88.5
5     前橋市(群馬県)   283005     87.5


 >スペシャルレポートの続きはこちらをクリック
    http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/sp030827a.shtml

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 ●スペシャルレポート・現場職員のコンセンサスなきまま
            住基ネット第2次稼働がスタート        8月25日公開
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 8月25日午前9時から住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の第2次稼働が始ま
った。希望者には住基カードの交付(有料)が始まり、このカードを提示すれば住民
票の写しが全国どこの市町村でも受け取れるほか、転出入届けの手続きも簡単になる。
 
 一部自治体が不参加のままであることは、各メディアで報じられている通り。それ
だけでなく、市町村の現場でも、セキュリティ面の不安などから、職員は諸手を挙げ
て住基ネットに賛同しているわけではないことが、本サイトの調査により明らかにな
った。ここで、官公庁勤務者を対象として2003年7月に行った本サイト独自調査の結
果を公表しよう。 

■住基ネットについて、どのような考えをお持ちですか。
【市町村(含む東京23区)職員】
                                      回答者数     
●全自治体/全国民が即時参加すべき………102(28.8%)
●他の自治体はともかく、             
 自分が勤務する自治体は参加すべき……… 24(6.8%)
●他の自治体はともかく、              
 自分が勤務する自治体は離脱すべき……… 10(2.8%)
●全面的に廃止すべき………………………… 26(7.3%)
●すべての自治体において一定の安全性が     
 確認されるまでは稼働すべきではない……109(30.8%)
●個人情報データの送信をする/しないは   
 住民による選択制にすべき………………   62(17.5%)
●関心がない…………………………………  11(3.1%)
●その他 ……………………………………     7(2.0%)
●無回答 ……………………………………     3(0.9%)
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合計                                    354(100.0%)

 >スペシャルレポートの続きはこちらをクリック
    http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/sp030825a.shtml


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         ┃ 【2】電子自治体NEWSピックアップ  ┃
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 ●主な電子自治体関連ニュース(2003.8.18-8.31)
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 ○郵政公社のブラスター感染はNECの作業ミスが原因--損害賠償も検討
                                                        (ITPro、2003/8/29)
   http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20030829/2/
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 ○全国47都道府県のCIOによる連絡会議が定期開催へ(BizTech、2003/8/26)
   http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/prom/263542
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 ○ミラクル・リナックス、「e-Japan向けモニタープログラム」を発表
                                         (ミラクル・リナックス、2003/8/27)
   http://www.miraclelinux.com/pressroom/details/2003082701.html
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 ○住基ネットが本格稼動、一時アクセス集中 (BizTech、2003/8/25)
   http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/comp/263385
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 >そのほかのニュースはこちらをクリック
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/news.shtml


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        ┃【3】安延申の「注目NEWSのツボはココ」 ┃
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 ○平成16年度 IT政策大綱-日本発の新IT社会を目指して-(総務省、2003/8/28)
   http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/pdf/030828_1.pdf
 ○総務省が「平成16年度IT政策大綱」を発表(BizTech、2003/8/29)
   http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/j/comp/264303
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【ニュースの概要】

 総務省は8月28日、「ユビキタス・ネットワーク社会の実現」などに重点を置いた
「平成16年度IT政策大綱」を発表した。
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【このニュースのツボ】

 総務省が、平成16年度の予算要求に向けてということだろうが、「IT政策大綱」を
発表した。乱暴を承知で、この内容を一言で述べれば、「ブロードバンドのインフラ
整備は整い、IT戦略の第一段階は成功裡に完了した。今度は、これを利活用するため
の第二段階に入る。」ということであり、利活用の重点項目として、電子タグやIPv6
等のユビキタス環境の実現、放送のデジタル化、コンテンツ流通促進、セキュリティ
戦略の推進などが高らかに謳われ、更に、これを日本発のIT社会モデルとしてアジア
をはじめとする世界に発信していくことが記されている。

 この政策の中には電子タグの普及のための周波数確保の必要性に言及するなど、一
部に傾聴すべき内容が含まれているが、率直に言えば、残りの部分は「予算取りのた
めの政策羅列」という印象がしないでもない。曰く「ユビキタス・ネットワーク社会
の実現のための研究開発や実証実験の推進」、「コンテンツの流通促進のための標準
化やルール整備に向けた実証実験への取り組み」、「放送のデジタル化に対応した高
度放送システムの研究開発」、「アジア・ブロードバンド衛星基盤技術の研究開発」
等々である。
 
 率直に言って、日本のブロードバンドの成功は、政策的にはほとんど顧みられなか
ったと言って良いDSLの普及の爆発がもたらしたものである。確かに「光化」でも日
本が先行していることは事実だが、「DSL」というライバルが登場しなかったら、光
技術の普及もこれほどまでには進まなかったであろう。その意味でブロードバンドの
インフラ整備で日本が先行し得たのは、一重に、民間市場での激しい競争の成果であ
る。もちろん、これを実現させた「競争促進」の政策モデルは評価されるべきもので
あるが、逆に、こうした市場の活用を重視しなかった、或いは、従来型の官主導モデ
ルで進めてきた政策については、住基ネットにせよ、IPv6にせよ「成功した」とは言
い難い。

 こうした得難い政策的経験が存在するにも関わらず、何故、これほど「官主導の開
発、実証、普及」政策が並んでいくのだろうか?正直に言えば、筆者もソフトウエア
・ベンダーの経営者であるから、これだけ豪勢な政策が並べば、重要なビジネスチャ
ンスと考え、多いに魅力を感じる。もっと言えば自分の会社が実現しようとするビジ
ネスモデルがこうした政策の「枠外」にならないように、なんとかインサイダーにな
ろうと努力する。したがって批判ばかりして睨まれてもイヤだなという思いもある。
しかし、だからと言って、こうした政策の集大成が日本のIT化を正しい方向に導くか
と言われれば「?」と言わざるを得ない。地上波デジタル放送などは、識者ばかりで
なく、本来便益を受けるはずの放送業界ですら、その成功を危ぶむ声が多い。よく見
ると、これによく似た政策が沢山ならんだ「政策大綱」の文章を見たような気がす
る。農業政策である。

 このまま突き進めば、折角、IT戦略の第一段階で成し遂げた成果(=ブロードバン
ド・インフラでの主導的立場)を台無しにする可能性すら存在する。電波周波数割り
当て方法の改革、設備に注目した情報通信規制の枠組みの見直し、三位一体改革&地
方主権の時代に相応しい電子自治体戦略など、いくらでも政策課題は並んでいる。願
わくば、情報通信の分野が、「飴を配る」ことにばかり目がいって、肝心の基礎体力
が台無しになった日本の農業のようにならないことを祈りたい。

      ─────────────
      安延 申(やすのべ・しん)
      ─────────────
      通商産業省(現 経済産業省)に勤務後、コンサルティング会社ヤス・
      クリエイトを興す。現在はウッドランド社長、スタンフォード日本セン
      ター研究部門所長など、政策支援から経営コンサルティング、IT戦略コ
            ンサルティングまで幅広い領域で活動する。


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        ┃ 【4】e-Govキーワード解説 住民基本台帳カード   ┃
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 ●住民基本台帳カード(住基カード)
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/key037.shtml
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 2003年8月25日、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の第2次稼働が
スタートし、「住民基本台帳カード(住基カード)」の配布も開始されました。

 住基ネットは、住民票の情報のうち、氏名、住所、生年月日、性別、住民票コー
ド、およびこれらの変更情報(本人確認情報)を、ネットワークを通じて全国の行政
機関で共有するもので、2002年8月からシステムの基本的な部分が稼動しています。
これによって、パスポートの申請など、行政機関への多くの申請・届出などにおい
て、住民票の写しの提出が不要になりました。

 今回の本格稼動によって、これまで自分が住んでいる市町村でしか受けられなかっ
た住民票の交付が、全国どこの市町村でも受けられるようになりました。同時に配布
が開始された住基カードは、希望する住民に対して市町村が発行し、さまざまな行政
サービスに活用されることになっています。住基カードは、セキュリティの高いICカ
ード(ICチップが内蔵されたプラスチック製カード)で、ICチップには国民一人ひと
りに割り当てられる住民票コードとパスワード(数字)が格納されます。現在想定さ
れている、住基カードの主な機能は次の通りです。

 第1に、住基ネットの端末に設置されたICカードリーダ/ライタに、住基カードを差
込み、住民がパスワードを打ち込むことで、本人確認情報が検索されます。これによ
って、行政機関の窓口での申請・届出などの手続きの際、簡単に本人確認を行うこと
が出来ます。住基カードを保有する住民は、引越しの際の転出・転入の手続きも1回
で済むようになります。現在、引越しの場合には、住んでいる市町村に転出届を行い
転出証明書の交付を受けた上で、引越先の市町村に転出証明書を持参して転入届を行
う必要があります。今後、住民は引越先の市町村の窓口で住基カードを提示すれば、
現在は転出証明書に載せている情報を電子情報として呼び出すことができるため、引
越しの場合に窓口に行くのは転入時だけですむようになります(なお、一定の事項を
記入した転出届を郵送、またはインターネットで提出することは必要です)。

 第2に、公的個人認証サービスの電子証明書や秘密鍵などの保存カードとなります。
現在、政府や地方自治体は、申請・届出などの行政手続きのオンライン化を進めてい
ますが、オンラインでの手続きにおいて、なりすましや改ざんなどのトラブルを防止
するための仕組みとして認証制度の整備が重要です。そこで、政府・地方自治体は、
全国どこに住んでいる人でも安い費用で利用できる公的個人認証サービスを、2003年
度中に開始する準備を進めています。公的個人認証サービスの利用を希望する住民の
住基カードには電子証明書や秘密鍵が格納され、住民はこのカードを自宅などのパソ
コンに接続されたICカードリーダ/ライタにセットして、オンラインで安全に行政手
続きを行うことができます。行政手続きの際の本人確認の重要なツールという意味
で、住基カードは、電子政府・電子自治体において実印に相当するものになるといえ
るでしょう。

 第3に、住基カードを利用して、市町村ごとに独自のサービスを提供することも可
能です。ICチップの中で、住基ネットで利用する部分とは独立した空き領域は、市町
村が条例で定めたサービスに利用することができます。例えば、インターネットや市
内に設置された端末から市立病院の最新の予約ができるサービス(岩手県水沢市)、
災害時の住民の安否確認サービス(鳥取県日南町)、各種証明書の自動発行サービス
(石川県志雄町)、公営バス高齢者優待利用証(佐賀県佐賀市)など、現在、約90の
地方自治体が独自サービスを予定しています。このような、発行主体である市町村自
身が提供するサービスのみならず、他の市町村、都道府県、民間企業などが提供する
サービスも、住基カードに搭載することを条例で定めることも認められています。た
だし、こうしたサービスには、(1)住民の利便性を向上する、(2)行政の合理化に資す
る、(3)市町村長がサービス提供主体と協定等を締結し、これらのサービスの住基カ
ードへの搭載について管理が可能である、などの条件がつけられています。

 第4に、住基カードには、写真付きのタイプと写真なしのタイプがありますが、写
真付きタイプを選択した場合、運転免許証などと同じように、公的な身分証明書とし
て使うことができます。

 カードの発行手数料は、市町村ごとに定められ、現在のところ9割以上の市町村で
500円となっています。総務省によれば、2003年度の発行予定枚数は、国民の2.4%に
あたる約300万枚となる見通しです。電子政府・電子自治体の基盤として配布が始ま
った、住基カードが、今後どの程度のスピードで普及するかは、このカードで利用で
きるサービスの魅力次第といえるでしょう。

                          日立総合計画研究所・編

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       ┃【5】コラム:橋本典明のIT化ってどういうコト? ┃
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  第23回 サイバースペース上の国家安全保障とは(3)  完璧なネットワーク管理
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 まずは、おさらいだ。前回、私は「WDMの実装で驚異的な進歩を遂げた光海底ケー
ブルの伝送容量を一気に倍増させるシステムの試作に成功した」(*)と書いた。こ
れがなぜ国家安全保障上の新たな戦略アイデアに結びつくのか、今回は解説したい。

    *:WDM = Wavelength Division Multiplexing/波長分割多重

 ───────────────
 サイバー経済封鎖
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 近年、あらゆるビジネスはオンライン化の一途をたどっており、それこそネットワ
ーク上の決済作業が百万分の一秒早いか否かで、ビジネスの勝敗が決まってしまう。
だから戦時に敵対国のネットワークを破壊してしまえば、その国の経済活動に致命的
なダメージを与えることができ、いわゆる“サイバー経済封鎖”が実現する。

 しかしだ。ここ数年、かつてないスケールで増殖しつづけるインターネットだが、
この縦横無尽に張り巡らされたネットワークはどこをどう攻撃してもシステム全体を
破壊することができず、前述した“サイバー経済封鎖”の実現は極めて困難である。
だが、こと国際間の接続に関しては、そのほぼ百パーセントのバックボーンが光海底
ケーブルを使っており、実は各国のランディング・ポイントを攻撃すれば、そこに収
容されているケーブルの機能が麻痺し、当該ケーブル経由のデータ伝送は完璧に停止
する。

 もっとも、当たり前ではあるが、こうした稚拙な手段だと、攻撃の意図が敵対国に
も瞬時に判ってしまい、攻撃を受けた敵対国が被害を最小限に抑えようと用意する別
経路調達までの時間が短くなり、その国に対する“サイバー経済封鎖”の威力は限定
的なものになってしまう。


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 WDMを使わない新規システム案
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 さて、ここで私の考案したシステムを思い起こしていただきたい。これは「単にケ
ーブルが故障しているか否かだけでなく、各ケーブルの混み具合まで計測し、ネット
ワークをより効率的に使いこなす」システム案だ。したがって、もし敵対国との間の
光海底ケーブルの運用を、自国側の影響力が行使できる民間事業者が本システム案を
実装した上で行ったとすれば、当該国はその事業者を使って意図的に敵対国のデータ
伝送スピードを(例えば)百万分の一秒遅らせることができる。そうすると敵対国同
国のビジネス・シーンにおける決済業務などに(百万分の一秒程度の)遅れが生じ、
経済損失が発生する。

 (前にも書いたが)たとえ百万分の一秒といえども、ケーブル全体であれば一秒間
にメガバイト単位のトラフィックの無駄が発生する。このため、この仕掛けはすぐに
見破られると思う人がいるかもしれない。しかし、これはあくまでも全体としての数
値であり、実際は遅延させられた国側のISPなど、ケーブル利用者がいくらトラフィ
ックの流れを精査したとしても、その遅延に気づくことはまず不可能で、損失は拡が
り続ける。

 ただし、例えば敵対国から自国への伝送速度を遅らせた場合、敵対国からのアクセ
ス遅延だけでなく、(自国側から敵対国側への)要求アクセスに対する応答速度も同
様に遅延するわけで、正直言って、どこをどうやって遅延させればより効率的な“サ
イバー経済封鎖”ができるのか、私にも今のところわからないのだが……。

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 スチュアート・A・ベーカーとの出逢い
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 十年近く前、私はある仕事がきっかけで、元国家安全保障局(NSA)首席法律顧問
スチュアート・A・ベーカーなる人物と知り合い、氏の著作『The Limits of Trust』
(ISBN: 9041106359)に(ホンの一部だったが)執筆する等々、今日まで親しくさせ
てもらっている。

 実はこの『The Limits of Trust』執筆時、私は「完璧なネットワーク管理(セキ
ュリティー)とは何か」「そのためには何が要求されるのか」について徹底的に考え
させられ、その答えとして導き出したのが「ユーザーのアクセス権限、およびアクセ
ス速度を掌握すれば、徹底管理が実現する」ということだった。

 その具体例として、前回紹介した「アクセス・ポイント上でユーザー側からのデー
タ・パケットを監視し、送信元IPアドレス以外のIPアドレスが検知された時点で接続
不能にする」(アクセス権限掌握)システム、および今回の「単にケーブルが故障し
ているか否かだけでなく、各ケーブルの混み具合まで計測し、ネットワークをより効
率的に使いこなす」(アクセス速度掌握)システムを考案し、それらを数年前、アメ
リカで特許出願したのである。

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 より広範なセキュリティ論議を!
 ───────────────────
 話を戻そう。近頃、私の周りではネットワーク・セキュリティーの話になるとウイ
ルスや不正アクセス対策等々、月並みな話題しか論議されなくなっている。もちろ
ん、それはそれで重要ではあるが、私としては既成概念にとらわれない、より広範
な論議が展開されることを願っている。


       ────────────────
      橋本 典明(はしもと・のりあき)
      ────────────────

      ジャーナリスト、メディア評論家。(学)東放学園講師、武蔵野美術大
      学特別講師、東京大学大学院社会情報研究所講師、早稲田大学講師、米
      国パンアムサット社技術コンサルタント、ブレークモア法律事務所顧問
      など多方面で活動。旧通産省、郵政省のニューメディア関連委員会委員
      を歴任。


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           ┃【6】注目のセミナー&イベント ┃
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 ●日経BP ITフォーラム in Osaka
   http://ac.nikkeibp.co.jp/it/osk/
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【日程】2003年9月10日(水)、11日(木)
【会場】グランキューブ大阪(大阪市北区)
【主催】日経BP社
【概要】日経BP社のIT系各誌編集長が、情報システム構築のポイント・最新動向をそ
れぞれの専門セッションにて発表。日経パソコン・渡辺洋之編集長による基調講演
「急速に進む電子政府・電子自治体の進捗状況と問題点 ~セキュリティとアクセシ
ビリティの視点から~」ほか。

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 ●富士通Web帳票セミナー
  http://systemwalker.fujitsu.com/jp/events/output_semi1.html
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【日程】福岡9月9日(火)・名古屋9月12日(金)・東京9月26日(金)他
【会場】富士通ソリューションステージ・九州(福岡市博多区)他
【主催】富士通
【概要】「帳票システム構築の考え方」「ツールを利用した簡単な帳票開発手法につ
いて」「Web環境でのPDF帳票運用について」「Webでの(XMLを利用した)電子申請シ
ステム構築について」などについて解説するセミナー。事例紹介も。
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 >そのほかのイベント・セミナー情報はこちらをクリック
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/event01.shtml


              ■━━━━━━━■
              ┃【7】編集後記 ┃
              ■━━━━━━━■

◆先日、全国47都道府県のCIOによる連絡会議「都道府県CIOフォーラム」を取材して
きました。一口にCIOと言っても、都道府県によって役職レベルも仕事内容も様々で
す。フォーラムの出席者は、他の自治体のBPRや電子行政の状況にかなりの興味を持
っている…というのが率直な印象でした。このダイジェストは、ウェブサイトで近日
中に公開予定ですので、どうぞご覧ください。(山田)

◆隣の部署のスタッフが、さっそく住基カードを作ってきました。銀行で行員に身分
証明証として提示したところ、「?」という顔をされてしまったそうです。住基カー
ドのことを知らなかったわけです。また、夜間に郵便局で荷物を受け取る際に、住基
カードを提示したところ「免許証にしてほしい」と言われたそうです。「免許証は番
号を控えられるが、住基カードには番号がない」という理由だそうです。住基カード
は身分証明にも使えることが“売り”の一つになっていますが、別に法律で身分証明
について何かが定められているわけではありません。カードの認知が浸透していない
初期の段階では、こういうことも起こるわけです。(黒田)

【おわびと訂正】
前号(第22号)の「ニュース解説:安延申の『注目NEWSのツボはココ』」の目次タイ
トルは「総務省と長野県、住基ネットに関する公開討論会を開催」でした。おわびし
て訂正します。

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