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     ╋BizTech Special【電子自治体】メール╋ 第20号 2003/7/17
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 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━  目 次  ━━━━━━━━━━━━━━┓
   【1】「本格的に動き始めた電子自治体」ウェブ新着ダイジェスト
    ── コラム・自治体サイト次の一手 第6回 
    ── 「政府/自治体のセキュリティに対する意識調査」    ほか
   【2】電子自治体NEWSピックアップ
   【3】ニュース解説:安延申の「注目NEWSのツボはココ」
                     ── 政府、人事給与システムにリナックス採用?
   【4】KEYWORD解説:「オープンソース」
   【5】コラム:橋本典明のIT化ってどういうコト?
                                    ── 官における危機管理術
   【6】注目のセミナー&イベント
   【7】編集後記
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     ┃【1】「本格的に動き始めた電子自治体」新着ダイジェスト   ┃
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 ●コラム・自治体サイト次の一手 第6回(古賀雅隆)          7月7日公開
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 ■リンク名は飛び先ページの内容が分かるものを

 今、私たち(日経BPコンサルティング)では、全国約500の地方自治体サイトにつ
いて、アクセシビリティやユーザビリティを横並びでチェックしている。横断的に見
ると、“自分本位な”リンク名をつけている自治体サイトが多いことに驚かされる。
リンク名に該当ページのニックネームだけを示し、内容については何も説明のないサ
イトが、少なからず見受けられるのである。

 「eかごしま」「ふくふくマップ」「ひむか神話街道」「みちのく夢ネット」…。
すべて地方自治体のサイトに実在するリンク名だ。これらのリンク名から、リンク先
のコンテンツを類推することができるだろうか?

 ■意味の分からないリンク名は サイト訪問の視界から消える           

 リンク名は、ビジター(サイト訪問者)がリンク先のページ内容を類推できるよう
にしたい。できれば明確に分かるように補足説明も加えたい。リンク先のページで
「どんな情報を得られるのか」「どんなサービスを享受できるのか」といったことを
リンク名から予想できなければ、ビジターはそのリンク名の場所をクリックしないか
らだ。

 >コラムの続きはこちらをクリック
    http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/col/column7_6a.shtml

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 ●その他更新情報
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 ○ケーススタディ・新庁舎移転に合わせてイントラネットをLinuxで構築
                       (東京都目黒区)7月10日公開
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/case30a.shtml
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 ○スペシャルレポート・オープンソースの基礎知識                7月10日公開
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/sp030710a.shtml
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 ○コラム・使える電子申請を目指して 第8回(牟田学)            7月9日公開
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/col/column8_8a.shtml
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 ●編集部からのお知らせ(アンケートご協力のお願い)
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 ○「政府/自治体のセキュリティに対する意識調査」実施中(7月31日締め切り)
   http://webres.nikkeibp.co.jp/user/NGT0307M.html 

 本アンケートは、政府/自治体にお勤めの皆様に、電子政府/電子自治体の進展に
伴い、重要度が高まってきているセキュリティに関してご意見をお聞きしたく企画し
ました。ぜひご協力ください。ICレコーダー、ディスクタイトルプリンターなどが当
たります!   ※ ご回答は政府/自治体関係者の方限定とさせていただきます。
    
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         ┃ 【2】電子自治体NEWSピックアップ  ┃
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 ●主な電子自治体関連ニュース(2003.6.30-7.13)
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 ○アマノと三菱電機インフォメーションシステムズがデジタルタイムスタンプと
   電子署名のサーバソリューションで協業
         (2003/7/9、アマノ、三菱電機インフォメーションシステムズ)
   http://www.amano.co.jp/TOPICS/20030709MDIS.pdf
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 ○国交省の電子納品、CADデータ交換はSXFに統一(2003/7/8、BizTech)
   http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/food/256229
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 ○「日本発の新IT社会を目指す」、情報通信白書(2003/7/4、BizTech)
   http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/inet/255701
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 ○アクセンチュア、世界15カ国の行政機関のCRMを調査(2003/7/2、BizTech)
   http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/prom/255325
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 >そのほかのニュースはこちらをクリック
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/news.shtml


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        ┃【3】安延申の「注目NEWSのツボはココ」 ┃
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 ○政府、人事給与システムにリナックス採用(2003/7/9、NIKKEI NET)
   http://www3.nikkei.co.jp/kensaku/kekka.cfm?id=2003070900865
 ○「Linuxは全省庁の人事・給与システムの一候補に過ぎない」と人事院
                                                       (2003/7/10、ITPro)
   http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20030710/1/
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【ニュースの概要】

 全省庁向けの人事・給与システムの設計を沖電気工業、日本IBM、富士通の3社が落
札した。3社の提案はOSにLinuxを採用したものだが、発注者の人事院は「今のところ
Linuxを全面採用すると決めたわけではない」とコメントしている。
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【このニュースのツボ】

 人事院がLinux採用のシステムを採用する、しないで結構な騒ぎになっている。た
だ、政府のLinux採用問題、オープンソース問題を巡る騒ぎを聞いていると、どうも
「?」という感じが、最初からついて回って仕方ない。

 産業政策として、マイクロソフト1社に大半のOSが支配されている現状を変えるた
めに、オープンソースの振興を検討するというのなら、まだ理解できる。しかし、基
本的にユーザーは「アプリケーション」を使うのであって、OSを使用するわけではな
い。自分の求めるアプリケーションが、どれだけ適切に、安価に供給されるかが問題
なわけで、OSがなんであろうと関係ないはずである。単にマイクロソフト支配を打破
したいのであれば、それこそ政府内の情報系システム(事務系システム)にアップル
を採用した方がよほど早いだろう。

【参考】
・「もう一つのオープンソース物語」(安延申)
 http://www.rieti.go.jp/it/column_index.html

 しかし、アップルを採用したのではかなりの数のアプリケーションについて、デー
タが交換・共有できないとか、ファイルが開けないと言った問題が発生するのは言う
までもない。現状のLinuxを見ると、正直なところアプリケーション面での充実度は
まだまだウィンドウズとは比較にならない。専用のクライアントを用いる業務系のシ
ステムであれば、それなりの能力を発揮できるかもしれないが、一般的に政府が
Linuxを採用するといった形になるとは到底思えない。

 その意味で、このニュースの元になった日本経済新聞の見出しの書き方は、あまり
に「扇情的」であり、報道の仕方としては疑問を感じざるを得ず、人事院の「調査分
析、設計の過程で、システム要件とパフォーマンスの検証を行って、最適なOSを決定
する」という反応は至極まっとうなものであろう。

 むしろ、気になるのは、今回の発注は「設計」の発注に過ぎないのに、あたかもシ
ステム構築を担うベンダー群が「決定した」かのように報道されていることである。
政府では、設計段階で「安値入札」を行った企業が、その後のシステム構築をも支配
して、そこで過大な利益を得ることがないように、一生懸命、調達制度の改善を行っ
てきたのではなかったのか? そのあたり、今回の人事院の入札ではどのように進め
られるのか?そちらの方にも関心を抱かざるを得ない。

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      安延 申(やすのべ・しん)
      ─────────────
      通商産業省(現 経済産業省)に勤務後、コンサルティング会社ヤス・
      クリエイトを興す。現在はウッドランド社長、スタンフォード日本セン
      ター研究部門所長など、政策支援から経営コンサルティング、IT戦略コ
            ンサルティングまで幅広い領域で活動する。


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          ┃ 【4】e-Govキーワード解説 オープンソース   ┃
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 ●オープンソース
 http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/key034.shtml
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 プログラミング言語で記述されたソフトウエアの設計書をソースコードと呼びま
す。このソースコードを無償で公開し、誰でも自由に改良・再配布が行なえるように
したソフトウエアやその開発方式を総称して「オープンソース」と呼びます(※)。

  ※OSI(Open Source Initiative)による定義「The Open Source Definition」
   を満たすものを「オープンソース」と呼ぶ場合が一般的ですが、「ソースコー
   ドを無償公開」して「誰でも自由に改良・再配布が行なえる」ことを指して、
 「オープンソース」という言葉が使われるケースも広まってきています。

 オープンソース自体は特に目新しい概念ではなく、例えば1980年代にはCERN httpd
(WWWサーバ)、sendmail(電子メール)などのソフトウエアが開発・改良され、イ
ンターネットの普及に貢献してきました。最近ではLinux(リナックス)の急速な普
及によって、再び注目が集まっています。Linuxは1991年に、フィンランドの大学院
生だったリーナス・トーバルズ氏が開発したコンピュータのOS(基本ソフト)です。
オープンソースは「ソースコードを公開・共有し、誰もが自由にソフトウエア開発に
参加できるようにすることで、より良いソフトウエアが生まれる」という思想に基づ
いています。Linuxもオープンソースにしたことで、世界中のプログラマの評価にさ
らされ、改良を重ねたことで、高性能かつ安全性の高いソフトウエアとなったといわ
れています。

 現在、パソコン用OSではマイクロソフト社のWindowsが圧倒的なシェアを握っ
ていますが、欧州を中心に各国政府や国際機関がLinuxへの切り替えを検討する動き
が広がっています。ドイツではシュバエビッシュハル市が2003年中に業務システムを
Linuxに全面的に切り替えることを決定、さらに2003年6月にはミュンヘン市が1万4千
台の業務用パソコンをLinuxに切り替え話題となりました。

 欧州各国政府のオープンソース採用の背景には、「政府・公共機関には安全性や透
明性が確保されるべきである。特定の企業への依存を避け、ブラックボックス化した
ソフトウエアを使用しないことが、安全性や透明性の確保に欠かせない」という思想
があるといわれています。マイクロソフトもLinuxの攻勢を受け、これまで非公開だ
ったWindowsのソースコードを政府・地方自治体向けに無償公開するガバメント・
セキュリティー・プログラム(GSP)を開始しました。すでに英国、ロシア、中国など
がソースコードの提供を受けています。

 2003年6月には総務省が「セキュアOSに関する調査研究会」の開催を発表し、この
研究会は、「電子政府・電子自治体等のシステムへのオープンソースOS導入の在り方
の検討に資することを目的として、オープンソースOS及び非オープンソースOSについ
て、セキュリティ面、運用面、コスト面等の様々な観点から、そのメリット・デメリ
ットの客観的・中立的な評価を実施する」ことが目的です。すでにオープンソース・
ソフトによるシステムを構築している自治体(山梨県、東京都目黒区など)もあり、
今後、日本の政府・地方自治体においてもオープンソース導入の動きが活発化すると
考えられます。

■オープンソース採用には、利用者の理解が欠かせない

 ただし、その利用にあたってはセキュリティやコストなどについて十分に検討を行
い、利用者自身がオープンソースのメリット・デメリットを理解することが求められ
るでしょう。

 一般に「世界中のプログラマの評価にさらされ、改良を重ねた」という理由で、オ
ープンソースの方が商用ソフトウエアに比べて安全性が高いと評されてはいますが、
必ずしもそうとは言い切れません。オープンソースは攻撃者側もソースコードを検証
し、セキュリティホールを発見できるので、利用者が常に最新バージョンを入手する
などのメンテナンスを怠れば、逆にリスクは高くなります。現時点でLinuxなどオー
プンソースでの被害が目立たないのは、マイクロソフト社が提供するWindowsな
どの商用ソフトウエアを攻撃した時の方が被害は大きいため、ハッカーの標的となり
やすいからと考えるのが妥当でしょう。

 また、オープンソースの採用が進められているもう一つの理由としてIT関連コスト
削減が求められていることが挙げられます。しかし、オープンソースは初期費用こそ
無料同然ですが、保守費用については一概に安価とは言えません。オープンソースは
不良が発生した場合も、自己責任において対処するのが原則ですから、利用者側の技
術力が問われます。現時点で政府・地方自治体職員が独力でOSのソースコードを理解
し、問題に対処するは現実的に困難といえるので、結局はディストリビューター
(Linux製品の開発、提供を行う企業)やベンダーに依存することになり、商用ソフ
トウエアと同程度の保守費用が発生しかねないのです。

                          日立総合計画研究所・編

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    http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/keyword.shtml


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       ┃【5】コラム:橋本典明のIT化ってどういうコト? ┃
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  第20回 官における危機管理術 
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 先月、防衛庁が製造物責任法(PL法。責任要件を『過失』から『欠陥』に変更し、
被害者の立証負担を軽減することで損害賠償の請求を容易にした法律)に基づき、川
崎重工業に対して約4億2600万円の損害賠償を請求した。同法に基づいて国が企業に
賠償請求を行ったのは今回が初めてだが、私は正直、これを“良い兆候”だと思って
いる。

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 PL法で国が企業を訴える
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 まずは、事件の概略から説明しよう。2000年6月、静岡県にある陸上自衛隊東富士
演習場で訓練中の対戦車ヘリコプターAH-1Sのエンジンが約7.5メートル上空で突然止
まり、墜落し大破。操縦士2人が腰つい圧迫骨折などで全治3カ月の重傷を負った。当
該ヘリは機内燃料制御装置内の人工サファイアが飛行中に脱落したことが原因で、エ
ンジンに送られる燃料が急減、エンジン出力が低下し、墜落したのだが、このサファ
イアが組み込まれている部品自体は米国メーカー製だった。だが当該部品を使い、エ
ンジン全体を製造した川崎重工業が、作業指示書にない方法で作業を行ったために取
り付け方が悪くなり、その結果、サファイアが破損したことを突き止めた防衛庁は、
同社に対して今回の措置に踏み切った。

 なお請求額の内訳はヘリの約4億2400万円(国有財産上の価格)、および操縦士ら
のけがの治療費約233万円で、対する川崎重工業は「内容を十分検討した上で、今後
の対応を決めたい」と言っている。

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 ルワンダPKO
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 あるエピソードを紹介したい。1994年9月末、ルワンダ難民に対する国連平和維持
活動(PKO)のため、ザイール・ゴマに自衛隊が派遣された。当時、私は現地の様子
をTVで観ていたが、あるシーンで目が釘付けになってしまった。ゴマの同隊宿営地に
設置されていたインマルサット電話用アンテナが、湾岸戦争時に使われていた旧型イ
ンマルサットA用パラボラアンテナだったからだ。

 インマルサット電話とは、赤道上空3万6千キロ上空にセットされたインマルサット
(通信衛星)を交換機として構築した衛星電話システムで、(前述A型の次世代機)M
型以降は電波のデジタル化によってユーザー側端末の驚異的な軽量化が進むと共に、
操作性も格段に向上した。ちなみにメディアマニアである私も当時、すでにM型を使っ
ていた(現在はM型の後継機ミニM型を使っており、総重量はA型の12分の1程度になっ
ている)。

 話を戻そう。個人の私でさえ使っていたにもかかわらず、あの時、自衛隊がゴマに
持って行ったのはA型だった。しかし、それだけではなかった。さらに私の耳には、
現地の関係者から、とんでもない話が飛び込んできた。

 自衛隊の持ち込んだ衛星電話システムは『現地に到着後、すぐに故障し、日本から
取換用のシステム基板が到着するまで使えなかった』というのだ。システムを使う
際、携帯型発電機に複数のシステムをタコ足状態でつなげ、それが元でシステムへの
電力供給が不安定になり、システム基板が破損してしまったからだった。

 だが、なぜ彼らは精密機器である衛星電話システムに対して、電力供給が不安定に
なるタコ足配線を行ったのか。理由はA型システム、および携帯型発電機の重量が重過
ぎ、本来の運用スタイルである“1システムに対して1電源”を確保した場合、ただ
でさえ不便な状況下のゴマにおいて機器の取り回しが不可能になってしまうからだっ
た。もっともM型以降は、(もともとこうした機器はジャングルなど、極端に不便な
状況下で緊急時の通信手段として利用されるものなので)たとえタコ足配線でも十分
耐えられるように端末側の改良が施されており、やはり真の原因は持ち込んだシステ
ムが古かったからだった。

 では、なぜ自衛隊はそんな使い勝手の悪い旧型を持ち込んだのか。これも、理由は
単純だった。彼らが持ち込んだのはKDD(当時)からのレンタル品で、レンタル元であ
るKDDに『ちょうどその時、M型の在庫がなかったから(実際はM型の登場で、A型のレ
ンタルが激減したため)』だった…。

 ──────────────────
 官における危機管理術
 ──────────────────
 こんなエピソードは、実は他官庁でもたくさんある。そこで私は官公庁(法務省、
検察庁、防衛庁など)で危機管理に関するレクチャーを行う際、そうしたエピソード
とともに、こんなことを言っている。「民間から物資調達をする場合、自社の利益追
求だけが私企業の使命であり、そこに国益という概念は全く存在しない。早い話、利
益のためなら、彼らはなりふりかまわず、何でもありで向かってくる。この彼らの立
場を正確に把握した上で付き合わない限り、いかなる危機管理術も根底からくつがえ
される」と。

 これまで官公庁が民間から物資を調達する際、そこには官民の悪い意味での“馴れ
合い”が生じ、そのツケは末端で官を支える人たちが払ってきた。冒頭で紹介したヘ
リの事故のように、生命の危機にさらされることすらあったのである。

 今回の賠償請求を契機に、両者に良い意味での緊張関係が生まれることで、そうし
た官民の悪弊が一掃され、末端で官を支える人たちが不利益をこれ以上被らないこと
を私は願っている。

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      橋本 典明(はしもと・のりあき)
      ────────────────

      ジャーナリスト、メディア評論家。(学)東放学園講師、武蔵野美術大
      学特別講師、東京大学大学院社会情報研究所講師、早稲田大学講師、米
      国パンアムサット社技術コンサルタント、ブレークモア法律事務所顧問
      など多方面で活動。旧通産省、郵政省のニューメディア関連委員会委員
      を歴任。


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           ┃【6】注目のセミナー&イベント ┃
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 ●電子自治体ソリューションセミナー2003 in Kanagawa
   http://www.yec.ne.jp/dcs2003/
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【日程】2003年7月25日(金)
【会場】横浜情報文化センター(神奈川県横浜市)
【主催】テレビ神奈川(TVKテレビ)
【概要】“セキュリティ”と”データセンターの活用”を中心にしたセミナー。経済
産業省・三田啓氏による「電子政府で得た事を、今、電子自治体へ」、宇治市役所・
木村修二氏による「宇治市役所におけるセキュリティシステムのご紹介」など。

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 ●アウトソーシング2003
   http://expo.nikkeibp.co.jp/os/
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【日程】2003年7月30日(水)~8月1日(金)
【会場】東京国際フォーラム(東京都千代田区)
【主催】日経BP社
【概要】出展ゾーンは「IT/情報システム」「経営」「総務/経理/財務」など7分
野。セッションの一つとして「自治体情報化推進フォーラム」も開催。

 >そのほかのイベント・セミナー情報はこちらをクリック
   http://premium.nikkeibp.co.jp/biz/e-gov/event01.shtml


              ■━━━━━━━■
              ┃【7】編集後記 ┃
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◆昨日、電子商取引推進協議会 (ECOM)のセミナーに出席してきました。その中で、
世宗研究所の高選圭氏による韓国ソウル市の「オープンシステム」についての講演が
印象に残りました。オープンシステムといってもシステム構築の話ではありません。
電子決裁の過程を市民に公開する「民願処理オンライン公開システム」のことです。

つまり、建築、出店などの申請をした利用者が、どこまで書類が回っているのか、い
つ認可が下りる予定なのかなどについて、インターネットで確認できるというシステ
ムです。流行の言葉でいうと「トレーサビリティ・システム」と言ってもいいでしょ
う。内実の伴った情報公開の試みだと思いました。(黒田)

◆以前、取材でうかがった、とある自治体のホームページ制作ご担当者が「役所に来
庁すればわかることは、基本的に全部ホームページでもわかるようにしたい」とおっ
しゃっていました。予算やマンパワーの問題など、クリアしなければならない点も多
いとは思いますが、利用者(=住民)としてはホームページで解決できることが多い
方が楽なのは言うまでもありません。実は今回の編集後記は、自分が住んでいる市の
ホームページが、あまりにもわかりにくいために、ついついグチめいて書いてしまっ
たのが真相です(笑)。いや、笑い事じゃないんですけれどもね。(山田)


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