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■千葉県は、庶務手続きで処理する書類を電子化したのに加えて、それまで手作業で行っていた庶務書類の確認作業などの大部分をアウトソーシング(外部委託)した。これにより2004年度には、13億円の経費削減を達成する見込みだ。職員一人にパソコン一台の環境が整備されていない状況から出発し、実績を重ねて予算を着実に確保することで、段階的に目的を達することができた。(文:鈴木淳史)


 千葉県は、給与や人事、総務、福利厚生といった部門向けに職員が申請した手続きなどを処理する庶務業務の効率化により、2004年度には13億円の経費削減を達成する見込みだ。さらに、2005年度には23億円、2006年度には40億円の削減を計画している。

■コスト削減額と総務ワークステーション投資額の詳細

年度 削減または投資内容 金額 合計
2004年度 庶務担当人件費(140人分) −14億円 −13億円
紙やコピー、郵送、庶務担当の出張に掛かる費用 −2億円
人材派遣要員の利用費 +2億円
情報システムの維持管理費 +5000万円
総務ワークステーションの事務所の運営費 +5000万円
2005年度 庶務担当人件費(250人分) −25億円 −23億円
紙やコピー、郵送、庶務担当の出張に掛かる費用 −2億円
人材派遣要員の利用費 +3億円
情報システムの維持管理費 +5000万円
総務ワークステーションの事務所の運営費 +5000万円
出所:千葉県
[訂正]千葉県の試算データの内訳が間違っていたため、上表データの一部を差し替えました(修正前の表はこちらです。お詫びして訂正します)。なお、2004年度、2005年度それぞれの合計額には変更はありません。(9月8日)

 千葉県の効率化の取り組みは、庶務処理業務を自動化する情報システムの導入だけにとどまらない。各職員から提出された証拠書類(賃貸契約契約書等)などの確認といった人手を要する作業の大部分を外部委託(アウトソーシング)する体制も整えたのだ。2004年4月にアウトソーシング処理の集中拠点「総務ワークステーション」(写真)を県庁舎から離れた千葉市美浜区幕張に開設し、庶務業務の効率化を進めている。

■「しょむ2」導入後の庶務処理の流れ。各課の職員が庶務データを直接入力する

総務ワークステーションの全景の写真

 庶務業務の効率化は、まず各種紙書類を電子化することから始まる。2003年4月に千葉県は、「庶務共通事務処理システム(しょむ2〔ショムツーと読む〕)」(画面画像)と名付けたシステムを本格稼働させた。これにより、従来、部署ごとの庶務担当職員(県庁の正規職員)が担当していた、各種手当ての計算や勤務時間の集計、旧システムへの庶務データの入力といった作業が削減可能となった。一般の職員自らがパソコンを使って出張旅程や時間外勤務の状況を庶務処理システムに直接入力することで、出張精算や休暇、手当などの申請届出をオンラインで処理できるようにしたのだ。

処理フロー図
総務ワークステーションの全景。人材派遣会社からの人員が大半を占める。作業人数は時期により増減する。
総務ワークステーションの全景の写真
千葉県職員が利用する総務/人事/給与の処理手続きシステム「しょむ2」のポータル画面。

 電子化を進めてもどうしても人手を要する作業は残る。その作業の効率化を進めるための方策が庶務事務のアウトソーシングだ。例えば、申請内容と証拠書類が合致するかといった確認など、従来、県の庶務担当職員が行っていた作業を、人材派遣会社からの要員が代行するようにした。「総務ワークステーション」に庶務にかかわる人員を集中配置している。

 2003年度までは、県庁と保健所や土木事務所などの出先機関も含めると約300の部署があり、200人の庶務担当職員が配置されていた。それを2004年度からは、庶務担当職員を140人削減して60人に縮小した。

 現在、総務ワークステーションは、60人の県庁総務部職員と、人材派遣の要員が65人(うち常勤が35人)、職員をサポートする非常勤職員13人の陣容で運用されている。各部署に配置された庶務担当職員140人の削減以外にも、実は1999年から県庁本庁の管理部門で60人ほどが異動・減少し、組織のスリム化が進んでいる。

 2005年度には、県庁と出先機関、さらに病院や公営企業も加えた庶務担当職員約300人のうち250人を削減し、庶務担当職員は全50人の体制にする予定である。