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日立総合計画研究所・編

 「データセンター」とは、サーバー等の機器を保管し、情報システムを保守・運用するための専用施設のことです。インターネットに接続されることが多いので、iDC(インターネット・データセンター)とも呼ばれます。

 データセンターの提供するサービスは大きく2つに大別できます。ひとつは、利用者が準備したサーバーを保管し、回線接続や保守・運用を提供するサービスで、これを「コロケーションサービス」または「ハウジングサービス」と呼びます。もうひとつは、データセンター側が準備したサーバを顧客に貸し出すサービスで、これを「ホスティングサービス」と呼びます。

 政府・地方自治体が情報システムを構築して保守・運用しようとすると、コンピュータや設置場所などの設備やITの専門技術者を自前で確保しなければなりません。しかし、短期に実現することが困難であったり、コスト面で重い負担を伴うことが少なくありません。高価なハードウエア・ソフトウエアを購入しても、技術の変化が速いので、すぐに陳腐化するリスクも付きまといます。

 データセンターを利用して、情報システムの保守・運用をアウトソーシングすれば、保守・運用の負担やコストを低減することが可能になります。データセンターは、耐震・耐火設備を備えた堅牢な設備、専門スタッフによる24時間体制での管理など高度なセキュリティ機能を備えていることから、政府・地方自治体が自前で情報システムを保守・運用する場合に比べて、セキュリティ対策の負担は一般的に少なく済みます。ホスティングサービスを利用する場合には、ハードウエア・ソフトウエアの陳腐化リスクをデータセンター側に負担させることができます。

 総務省では「共同アウトソーシング・電子自治体推進戦略」を提唱しており、都道府県単位でデータセンターを設置し、市町村のシステムを統一する構想が進展しつつあります。その背景には、小規模な市町村ではIT化に伴う人材不足、財源不足の問題を単独で解決するのは困難であるという事情があります。

 既に、東京都愛知県など各地で、共同データセンターの構築に向けて具体的取り組みが進められています。これらのデータセンターの設置・運営は地元のIT企業が中心になって行う予定で、システム開発については大学などに対しても協力を仰ぐ計画です。

 総務省では、アウトソーシングによって約11万人程度の雇用効果があり、運用による需要効果を年間約1兆円と試算しています。しかし、2003年7月から運営を開始している大阪府の「eおおさかiDC」においては、現時点で決まっている顧客は2つの公共機関にとどまっており、その運営は容易とはいえないようです。今後はいかに黒字化し、収益を確保するかが他の共同データセンターにおいても課題となるでしょう。