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NASCIO(全米州CIO協議会)会長/米国ミズーリ州CIOのジェリー・ワシントン氏 |
全国47都道府県のCIO(最高情報責任者)または情報政策責任者による定期的な連絡会議の場である「都道府県 CIOフォーラム」の春期会合が、2月17日に東京・赤坂のホテルニューオータニで開幕した(2月18日まで同会場で開催)。今回のテーマはEA(エンタープライズ・アーキテクチャ)および共同アウトソーシングがテーマ。初日の17日はNASCIO(全米州CIO協議会)会長で米国ミズーリ州CIOのジェリー・ワシントン氏とワシントン州CIOのスチュアート・マッキー氏による基調講演などが行われた。
ジェリー・ワシントン氏は「行政改革におけるエンタープライズ・アーキテクチャ」と題した講演を行い、「業務プロセスの改善、重複したシステムの排除など従来の環境における固定費圧縮と、インフラ整備(データセンター、ヘルプデスク活用など)によるコスト削減を通じて、より効果的なIT投資、住民サービス向上のために経費を振り向けるべき」としたうえで、それを実現するためにEAが重要なツールとなると説明。さらにNASCIOによるEA教材ツール「ENTERPRISE ARCHITECTURE DEVELOPMENT Tool-Kit」を紹介した。このツールキットはEA領域の概観やテンプレートなどで構成され、現在バージョン2.0が公開されている。近日中にはバージョン3.0を公開予定だという。
スチュアート・マッキー氏は、ワシントン州におけるEAの取り組みを紹介。「EAは変革のための準備である」と定義、「市民中心」「TCO(総所有コスト)」「共通性」の3つがEAの指針であるとした。ただし「共通性の部分については州内でも議論がまとっていない。可能な限り標準を作り一貫性を持たせるのが望ましいが、州の多くの機関は一貫性を求めない」と全州的に統一した基準作りの難しさをうかがわせた。
翌日の2月18日は米国の州CIOである両氏をまじえて、都道府県CIOがEAおよび共同アウトソーシングをテーマにディスカッションを行う予定。