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東芝が参考展示したカード利用者を顔で確認するマルチメディア端末。
東芝が参考展示したカード利用者を顔で確認するマルチメディア端末。
 「IC CARD WORLD 2003」(主催・日本経済新聞社、会期・2003年3月4日~7日、会場・東京ビッグサイト)は、小売店関連イベント「JAPAN SHOP」や流通情報システム展「RETAILTECH JAPAN」、警備・セキュリティ関連の「SECURITY SHOW」などの複数イベントと併催された展示会で、基本的に流通展として開催された。このため、会場内ではトレーサビリティを売りにしたものや、RFIDを使った物流ソリューション関係の展示が目立っていた。またセキュリティ関連では、映像監視技術の活用と、RFIDを使った識別技術や出入管理技術、バイオメトリクス技術などを組み合わせたものが今後多く登場することを予感させた。

■電子マネー関連

 つい先日、全日空がマイレージカードにためたマイルを電子マネーに変換するサービスを開始して話題を呼んだように、ここに来て電子マネーサービスが広がりを見せ始めている。会場では、ソニーの非接触型ICカード「FeliCa」や、ビットワレットの電子マネー「Edy」など、おなじみのカードサービスがあちこちで見られた。富士電機冷機は、Edy対応店頭端末、自動販売機のほか、非接触ICリストバンドなどを並べていた。

 また、東京京装コンピュータは「食堂楽」という食器裏にRFIDを付けることでトレーごと置くだけで一括精算できるシステムを出展した。これもEdy対応が“売り”の一つ。

 同分野でライバルとしてしばしば名前の挙がるNTTコミュニケーションズは、セーフティパス(ICカードで高セキュリティを確保した認証・接続サービス)を使った電子チケットシステムを展示していた。

電子マネーが利用できる全日空カード

富士電機冷機の展示
電子マネーが利用できる全日空カード   富士電機冷機の展示

東京京装コンピュータ「食堂楽」

NTTコミュニケーションズ・電子チケットシステム端末
東京京装コンピュータ「食堂楽」   NTTコミュニケーションズ・電子チケットシステム端末

■大手印刷会社の動向

 カードの印刷・製造だけでなく、ICカードソリューションの提供にも強みを見せる大手印刷各社の展示は、ぜひチェックしておきたいところだ。

 大日本印刷は、「ユビネット」なる携帯型多機能UIM-ICカードリーダライタを披露。指紋認証機能つきで、本人確認や決済などに使えるICカードを格納したもの。この手のUSBキーは、他でもあちこちで展示されていた。

 凸版印刷は発表以来はじめて、電子ペーパー付きICカードを展示。同時に液晶やLED付きのICカードも展示していた。共同印刷が非接触ICチップと接触型ICチップ、磁気ストライプなどを1枚に入れたハイブリッドICカードなどを展示していたことは言うまでもない。

 そのほか、凸版印刷と共同印刷は住基ネット関連のカード発行機を展示していた。印刷大手各社の自治体向けセールスは、既に各地で展開されている。

指紋認証付きのカードリーダライタ「ユビネット端末」(大日本印刷)

共同印刷による携帯電話用SIMカード。実際にカードで動作させながらPC上でプログラミングができる
指紋認証付きのカードリーダライタ「ユビネット端末」(大日本印刷)   共同印刷による携帯電話用SIMカード。実際にカードで動作させながらPC上でプログラミングができる

電子ペーパー付きICカード

ディスプレイ付きICカード。共に用途は電子マネーやマルチカードの機能表示などが考えられてはいるが、まだ探索中。
電子ペーパー付きICカード(左)とディスプレイ付きICカード(凸版印刷)。共に用途は電子マネーやマルチカードの機能表示などが考えられてはいるが、まだ探索中。

■自治体向けシステム

 東芝ソシオシステムズは健康保険証・診察券ICカードを利用した統合簡易医療システム「TOMIC」を出展していた。健康保険証の資格審査、データ管理、診療支援機能などを持つほか、企業向けなので個人負担金のクレジット徴収などが可能だ。

東芝ソシオシステムズ「TOMIC」

ICカードの健康保険証
東芝ソシオシステムズの「TOMIC」とICカードの健康保険証。

 チェックポイントシステムジャパンでは、非接触ICタグを使った「インテリジェント・ライブラリー・システム」を展示。従来のバーコードを置き換えたもので、図書の貸し出し返却、無断持ち出し防止などに使う。複数図書のデータを非接触で読みとることができるため、配架状態のまま蔵書点検ができる点がバーコードとの違いだ。九州大学付属図書館、電通図書館などで活用されているという。同様のコンセプト商品は他社でも展示されていた。書籍はデモンストレーションしやすい商品らしい。

チェックポイントシステムジャパンの「インテリジェント・ライブラリー・システム」の読みとりシーン。

書架に貼られているタグ
チェックポイントシステムジャパンの「インテリジェント・ライブラリー・システム」の読みとりシーン(左)。書架にはこんなタグが貼られている(右)。

筆者紹介 森山和道(もりやま・かずみち)

サイエンスライター。NHKを経て1997年からフリーランス。『日経サイエンス』、『月刊アスキー』等で科学書の書評を担当するほか、『中央公論』などで取材記事を執筆。インターネット上では科学者へのインタビューをメールマガジン『NetScience Interview Mail』で配信している。
個人ホームページ:http://moriyama.com/