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 総務省は5月27日、「ICT(Information and Communication Technology)を活用した地域社会への住民参画のあり方に関する研究会」(座長:石井威望東京大学名誉教授)の第1回会合を開催した。同研究会の目的は、住民がインターネットを利用して地域社会に積極的に参画する環境を整えること。

 研究会は、今年末までに実証実験用のモデル・システムを構築し、東京都千代田区と新潟県長岡市で住民が参加できるWebサイトを開設する予定だ。自治体側のWebサイトの運営ノウハウを蓄積して自治体向けのガイドラインを作成したり、実証実験の実施方法や結果分析について検討していく。

 ユニークなのは、モデル・システムの構築にあたって、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の考えを取り入れること。SNSとはここ2年ほどでWeb上で急速に普及し、注目を集めているコミュニケーション・サービス。参加メンバーが自分の名前やプロフィールなどをどこまで公開するかを段階的に設定する機能や、知り合い同士がお互いにリンクを張り合う仕組みを備えており、トラブルが起きにくいコミュニティを構築しやすいのが特徴だ。自治体では、熊本県八代市がSNSを地域コミュニティ作りに役立てている。(参考記事)。総務省はモデル・システムの開発にあたって、既存のブログやSNSなどとの連携も視野に入れる考えだ。

 利用チャネルとして当面想定しているのは、パソコンと携帯電話。2006年度に地上デジタルテレビやケーブルテレビといった双方向性を持つメディアの活用を検討する。

 研究会では、今後の検討課題も浮き彫りになった。ITリテラシーの低い住民ができるだけ参加しやすい仕組みをいかに構築するか、電子的なコミュニティから得られた住民の意思を行政側がどう活用するか、住民の参加率をどう高めるかといった点が、議論の軸となっていきそうだ。(広岡延隆=日経BPガバメントテクノロジー)