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合同研究会の様子
電子自治体アプリケーション・シェア推進協議会とオープンスタンダード化支援コンソーシアムによる合同研究会の様子

 福岡県、宮城県、熊本県など11自治体が加盟する電子自治体アプリケーション・シェア推進協議会は6月20日、同協議会を支援する目的で民間企業により結成されたオープンスタンダード化支援コンソーシアム(OSAC)と、初めての合同研究会を宮城県庁で開催した。

 OSACは三井物産戦略研究所、アビームコンサルティング、SAPジャパン、サン・マイクロシステムズ、日本オラクル、マイクロソフトなど6社が中心となって2005年1月に設立されたコンソーシアム。今年9月をめどに特定非営利法人(NPO)化を目指している(関連記事)。

 合同研究会には電子自治体アプリケーション・シェア推進協議会に参加している自治体のうち、6月20日から新たに加わった北海道をはじめ、宮城県、福岡県、熊本県など8道県と上越市が出席。そのほか、オブザーバーとして山形県と仙台市から代表者が参加した。

 はじめに宮城県企画部次長で同協議会会長の松元照仁氏が「人材や予算に制限がある自治体の電子化には民間企業による支援が必要。今年はOSACの力を借りて成果を出すためのカギになる年である」と挨拶。続いてOSACの「ビジネスモデル」「権利やバージョンの管理」「セキュリティ」「人材育成」「研究開発」の各分科会を担当する代表者によるプレゼンテーションや、民間企業によるアプリケーションシェアの実例が紹介された。

 その後、出席した自治体からOSACに対しての質疑応答という形で活発な議論が展開された。北海道企画振興部IT推進室情報政策課の黒田哲司主査からは「北海道(道内の8割近い自治体が参加する北海道電子自治体共同運営協議会によるHARP〔北海道電子自治体プラットフォーム〕)では、アプリケーションのコピーは持たずにオリジナルの一つのアプリケーションを遠隔利用することで不具合があった場合の責任関係が明確になるようにしている。アプリケーションシェアの考え方では、不具合があった場合の責任関係はどのようになるのか」という質問が出た。福岡県と実際にアプリケーションシェアによるシステムを構築した宮城県からは「すでに完成したアプリケーションを今後県内の市町村や他の団体と実際に共有する際の管理の枠組みやメリット・デメリットの説明をするための枠組みを早急に構築してほしい」(企画部情報政策課の木村毅電子自治体推進専門監)という要望が述べられた。

 このほか、「協力すべき地元IT関連企業の絶対数が少ない市町村はどのようにすべきか」(上越市)、「地元IT企業の実態をつかみ切れていない自治体はどうすべきか」(和歌山県)など、電子自治体を地元IT産業の活性化につなげたい自治体からの意見も目立った。

 OSACはこれらの質問や意見、要望に対して、各分科会で調査や協議、情報交換を重ね、2005年11月中に中間報告を、2006年1月末には年度の最終報告を行う予定であるとした。「OSACの設立は1月だが、実質的には今日が正式な活動開始日である」とOSACの村田良一事務局長が言うとおり、今回はまずOSACが各自治体の生の声を聞いて具体的な支援方法を検討するための協議会となった。(塗谷隆弘)