![]() ![]() ![]() 急速に伸びつつある市場では、常に技術者不足が問題になります。Linuxについても、現状では技術者不足を指摘する声は大きいようです。一方で、需要があれば供給が始まるものでもあり、特にLinuxに関しては技術者の養成・トレーニングや技術水準の認定を目的とした認定試験(※)や関連トレーニングが一定の認知を得つつある状況です。もちろん、不足と言われる状況が突然解消されるわけではありませんが、手掛ける人も増えて来つつあると言えるでしょう。
他方、製品の投入は盛んに続いており、ことにIAサーバー(米インテル社のマイクロプロセッサを搭載したサーバー製品。「PCサーバー」とほぼ同義)を主力製品としているハードウエアメーカーでは、どこもLinuxを重要なOSと位置付けて、その普及を推進しています。当初は、IAサーバーにLinuxを単にバンドルして販売するだけといった“及び腰”での提供も目立っていましたが、現在ではメーカー内部の技術者の養成やノウハウの蓄積が進み、Linuxに関しても公式にサポート対象となる形での販売が主流になってきています。 こうした背景には、IT市場で強まっているコスト削減の要求に対応するという側面と、顧客に提供する選択肢の幅を拡げるという意味合があります。Linuxは、単に一時的なブームという状況とは異なり、主要OS(オペレーティングシステム)の1つとして完全に定着した感があります。 普及当初のLinuxは、部署内やグループ内で使うためのワークグループ・サーバーのような小規模なシステム、さらにWeb周りのシステムといった、比較的重要度の低いサーバーでの利用からスタートした。しかし、実績を積むにしたがって徐々により大規模、かつ重要性の高い分野にも浸透しつつあります(※)。これを支えているのが、各種ミドルウエア製品のLinux対応と、ハードウエアの進化です。従来は商用UNIX+商用ソフトで実現されてきたエンタープライズ用途のサーバーを、どれだけLinuxに置き換えられるかという点にも関心が集まっています。
「最近の動向」ということで言えば、現在PCサーバーでは32ビットから64ビットCPUへの移行が始まっています。具体的には、インテル社の「Itanium2」やAMD社の「Opteron」といった64ビット・プロセッサが市場に投入されており、これまで以上に大規模な処理をより低コストで実行できると期待されています。そして「これらの新アーキテクチャのハードウエアに対応したOSとして、いち早くリリースされるのはLinuxである」という流れが完全に定着しつつあります。オープンソースの開発速度の速さを示す一例とも言えるでしょう。
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