![]() ![]() ![]() コスト面、セキュリティ面でのメリットが強調されがちなオープンソース・ソフトですが、「ソースコードが可視化され、しかも自由に改変できる」というオープンソース・ソフトならではの特徴も、大きなメリットになりうる要素の一つです。 オープンソースのソフトなら、特定メーカー/ベンダーの独自仕様のシステムを導入する場合と異なり、ユーザーは広く入札業者を募集できるようになります。地方自治体においては、地元企業が入札に参加しやすくなると期待されています。また、仕様が公開されていることで、システム導入後も業者の乗り換えも容易になるため、これまで問題視されていた「安値入札+高価な随意契約」という受注形態を抑止する効果も期待できます。 ただし、現状でオープンソースを導入するには、利用するユーザーの側にある程度の技術知識やノウハウが求められる面があることも事実です。オープンソース・ソフトには「ソースコードが最良のドキュメント」というプログラマー中心の考え方が色濃く残っています。つまり、「プログラムを見ればすべて理解できる」ことが前提で情報が流通しているわけです。このため、どうしても技術情報の提供やドキュメントの整備が後手に回る傾向があります。つまり、ユーザーが「何も分からない状態」であるなら、「ベンダーに丸投げ」という状況は変わらないわけです。 もう一つ、最近話題になっているオープンソースの“訴訟リスク”についても簡単に説明しておきましょう。 現在、米SCO社がIBMに対して同社のUNIX系OSであるAIXについて、「UNIX System V」ソースコードを破棄または返却し、AIXの配布を永久に停止することを求めて訴訟を起こしています。IBMからLinuxにUNIX System Vのコードが流出し、第三者に開示することを禁じているライセンス契約に違反しているというのが米SCO社の主張の概略です。 「バザールモデル」と呼ばれる開発手法を採用し、大勢の技術者がノウハウを持ち寄って開発するオープンソース・ソフトでは、他者の権利侵害に当たるコードが混入しているかどうかチェックできないのではないかという懸念が以前から指摘されていました。今回のSCOの提訴は、そのリスクが現実に生じうることを示しています(※)。 もちろん、訴訟が決着するまでは権利侵害があったかどうか、SCOの主張とIBMの主張のどちらが正しいか、といった点は分かりませんが、一時は「Linuxを使用しているユーザーに対しても使用停止を求める警告を送る」といった報道もあり、ユーザーがトラブルに巻き込まれる可能性があることは否定できなくなりました。 そのほか、オープンソースの様々なメリット、デメリットについては、下記の関連リンクの情報も併せてご参照ください。
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