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■長野県駒ヶ根市は、1996年に商店街振興のためのポイントシステムをICカード化した。その後、「つれてってカード」と名付けられたこのカードに行政サービスが相乗りし、市役所窓口での支払いや福祉チケットの発行、保育園の予約などにも使えるようになった。(文:黒田隆明=編集部)

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 JR岡谷駅から飯田線で約1時間。南アルプスと中央アルプスに囲まれ、「アルプスがふたつ映えるまち」をキャッチフレーズとしている長野県駒ヶ根市。この町のICカード「つれてってカード」は、既に地域で流通していた商店街のポイントカードに行政が相乗りしたという珍しいケースだ。

 「つれてってカード」は、商店街のスタンプカードをICカード化したもので1996年10月にスタートした。対象地域は駒ヶ根市を中心に飯島町、中川村の1市1町1村(中川村は商店街のポイントのみ)。現在、約2万6000枚が発行されている。


「つれてってカード」の
“のぼり”が、商店街のあちこちに見られた。

 このカードは買い物をするとポイント(100円につき1ポイント)が貯まるだけでなく、カードに最大50万円までのキャッシュを貯めてプリペイドカードとしても使用できるのが特徴だ。

 また、希望者は地元の赤穂信用金庫のキャッシュカードとしても使うことができる。ポイントは1ポイント1円換算で、「つれてってカード」加盟店の買い物や、住民票の発行手数料、文化センターでの催し物、第三セクターの温泉施設といった公共サービスの支払いにも利用できる。


赤穂信用金庫のキャッシュカードを兼ねるタイプ(右)も選択できる。あとからキャッシュカードの機能を追加することも可能だ。

■商店街のポイントを使って市役所で支払い

 この「つれてってカード」が行政サービスと本格的な連携を始めたのは、1998年8月から。市役所の窓口にカード端末を置き、住民票・印鑑証明などの発行手数料の支払いにポイントが使用できるようにしたのである(96年のサービス開始当時も、昭和伊南総合病院や駒ヶ根文化センターなど公共性の高い施設でのポイント利用は既に可能だった)。

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「つれてってカード」のカードリーダーと端末画面。

 そしてさらに、経済産業省による「ICカードによるIT装備都市研究事業」に採択されたのを機に、2002年2月から、ポイントシステムとは別の行政アプリケーションをカードに追加した。利用者は福祉チケット、幼稚園や子育てセンターの予約など新たな行政サービスも受けられるようになった。カードの運営は駒ヶ根市や商工会議所、つれてってカード共同組合、システムを担当した沖電気工業などをメンバーとした「伊南コミュニティカード・コンソーシアム」が担当している。