米インターナップ・ネットワーク・サービスとNTT-MEの合弁会社,インターナップ・ジャパンは,7月12日,高速・高品質なインターネット接続サービス「リモート・コネクティビティ・サービス」を開始した。特徴は,「仮想バックボーン」と独自のインテリジェント・ルーティング技術を使うこと。IX(インターネット相互接続点)などネットワークの混雑しやすい部分を避け,エンド・ツー・エンドで高速な通信環境を提供する。高速・高品質を武器に,主に,企業の拠点間を結ぶ広域イントラネットや企業間を結ぶエクストラネット,ISP間の接続などの用途向けに事業を展開する。さらに,Webサイトなどに向けてハウジング・サービスも提供する。

 同社は,世界中の36カ所にP-NAP(プライベート・ネットワーク・アクセスポイント)と呼ぶ設備を設置し,その間を複数のISPのネットワークで並列に接続している。これが仮想バックボーンである。独自のバックボーン・ネットワークは持たない。仮想バックボーン上では,独自のルーティング技術により,あて先によって最適な経路を提供するISPを自動的に選択するようになっている。このため,2地点間を接続する場合,複数のISPのネットワークを経由することはあまりない。IXやISP同士のプライベート・ピアリングといった混雑しやすい部分をバイパスでき,安定した性能を実現できる。仮想バックボーン上では,どこかのISPのネットワークに障害やふくそうが発生しても,自動的に代替経路(ISP)を選択するため,信頼性も高い。

 リモート・コネクティビティ・サービスのアクセス回線は,今のところ,エコノミー専用線のディジタルアクセス1500(DA1500)とATM専用線の2種類。他のアクセス回線についても,順次対応する。料金は個別見積もり。アクセス回線の帯域幅によって異なるが,他の大手ISPの料金に比べて3~10%程度割高になるとしている。例えばDA1500を利用する場合なら,月額で数千円~1万円前後割高ということになる。(Y.K.)