ボーランドは,Webサービスの構築に対応したビジュアル開発ツール「Delphi6 Enterprise」の日本語版を7月25日に出荷する。次世代のアプリケーション・モデルとして注目を集めるWebサービスに対応した本格的な開発ツールとしては,初の製品出荷である。

 Webサービスとは,インターネット上のアプリケーションをプラグ&プレイで連携させるアプリケーション・モデル。XML(拡張可能マークアップ言語)で定めたプログラムのインタフェースをSOAP(簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル)と呼ぶXMLデータの伝送プロトコルを使って呼び出し,アプリケーション連携を実現する。プログラムのインタフェース定義をWSDL(Webサービス記述言語)というXMLファイルに記述し,そのファイルをインターネットなどに公開することで,OSや開発言語に依存することなく相互接続を実現する。

 Delphi6 Enterpriseは,XML/SOAPを使ったアプリケーションを手軽に作成するためのウィザードや,既存のアプリケーションをWebサービス化するためのコンポーネントなどを搭載する。Webサービスの生成時に,自動的にWSDLファイルを作成する機能も備える。また,読み込んだWSDLファイルに合わせて,Webサービスを呼び出すクライアント・アプリケーションを開発することも可能である。また,単純にXMLデータをSOAPで伝送するようなアプリケーションの開発にも対応する。

 Delphi6 Enterpriseは,JavaVMのような仮想マシンなどを利用しないネイティブ・コンパイル方式の開発環境である。そのためユーザーは,J2EE(Java2プラットフォーム,エンタープライズ版)ベースのシステムのようにアプリケーション・サーバーなどの実行環境を別途用意しなくても,Webサービスを構築できる。また,プログラムの動作も高速である。大規模なシステム投資を避けつつ,Webサービスを構築または利用したい場合などに向いている。

 Delphi6 Enterpriseの稼働OSは,Windows98/Me/2000/NT4.0。希望小売価格は36万円。

なお,ボーランドは5月18日にLinux版Delphiである「Kylix」を出荷しているが,現行のKylixにはWebサービス対応機能は搭載していない。Delphi6に相当する機能は,次期バージョンで予定している。(H.J.)