Web関連技術の標準化団体であるW3C(World Wide Webコンソーシアム)は米国時間の7月9日,XML(拡張可能マークアップ言語)の伝送プロトコルとして事実上の標準となりつつあるSOAP(簡易オブジェクト・アクセス・プロトコル)の新バージョン「SOAP/1.2」のドラフト仕様を公開した。仕様が固まっていない早期の段階でドラフト仕様を広く公開したのは,より多くの技術的なフィードバックを得るため。

 SOAPは,Webサービスの中核技術して注目を集めているプロトコル。XMLデータに制御情報を付加して伝送する場合や,オブジェクトなどのバイナリ・データをXMLデータに変換する場合などに利用する。公開したSOAP/1.2のドラフト版は,今年5月に標準化された「XML Schema」の仕様に基づき,スキーマ構造や利用可能なデータ型などを変更している。XML Schemaは,XMLデータのスキーマ構造を定義する仕様である。また,SOAPヘッダーの記述法など,SOAP/1.1では曖昧に表現されていた部分が改められている。ただし,SOAPヘッダーに記述可能な項目自体の標準化はまだ進んでいない。そのほか,エラー発生時の処理方法が明確化され,(1)バージョンが異なる場合,(2)必ず解釈してほしい項目が解釈できなかった場合,(3)クライアント側でエラーが発生した場合,(4)サーバー側でエラーが発生した場合--を判別できるようになった。SOAP/1.1からSOAP/1.2への変換方法なども規定されている。

 しかし,SOAP/1.2で規定される予定でありながら,ドラフト版に含まれていない部分もある。SOAPメッセージに対する暗号化やディジタル署名の方法などは,勧告までに規定する予定としている。

 SOAP/1.2のドラフト仕様公開に併せて,W3Cは「XMLP(XMLプロトコル)抽象モデル」のドラフト仕様も公開した。XMLPは,W3Cが標準化を進めているXMLデータの伝送プロトコルで,将来的にSOAPはこのXMLPに統合されるとみられている。XMLP抽象モデルは,SOAPやXMLPのようなXMLデータの伝送プロトコルで必要となる概念や用語などを定義するとともに,それらのプロトコルをどのように使用していくべきかの指針を示したものとなっている。(H.J.)