EJB(エンタープライズJavaBeans)コンポーネントの流通や再利用を促進する「EJBコンポーネントに関するコンソーシアム」は,「コンポーネント仕様/品質公開情報規約 第1版」を7月16日に公開した。流通するEJBコンポーネントについて,どのような情報を公開し添付すべきかを取り決めた規約である。EJBコンポーネントの機能や使い方,インタフェースのオブジェクト・モデルなどである。必ず一定レベルの情報や説明が提供されるため,流通するコンポーネントを利用しやすくなる。ユーザーはいちからEJBコンポーネントを調べることなくアプリケーションを開発できる。

 この規約では,公開する18の情報項目のうち,16を必須(ひっす)項目,2つを任意としている。必須項目は,コンポーネントを選ぶ段階で必要な情報として,コンポーネントの機能,価格とライセンス体系,カスタマイズ可能な範囲,セキュリティ仕様などがある。また,アプリケーションの開発時のために必要となる,コンポーネントの機能詳細,外部インタフェース・モデル,データベース設計,カスタマイズなどの情報も必須項目である。開発したアプリケーションのテストのために,インストールや性能のチューニングに関する情報も必須である。任意項目は,EJBコンポーネントの品質と性能に関する情報で,根拠となるデータとともに公開する。

 また,EJBコンポーネントに関するコンソーシアムは同日,「EJB1.1 日本語用語規約 第1版」も公開した。英語を日本語で表記する際に用語を統一するための規約である。EJB1.1を実装した製品やアプリケーションのドキュメントなどに利用する。たとえば,「granularity」は「粒度」,「two-phase Commit」は「2相コミット」などと訳語を規定する。

 EJBコンポーネントに関するコンソーシアムは,EJBコンポーネントの流通や再利用を促進することを目的に昨年10月に,日本IBM富士通日立ソフトウェアエンジニアリングなどが設立。現在の法人会員は73社である。今年2月に,EJBコンポーネントをどのアプリケーション・サーバー製品でも動かすための規約「ポータブルコンポーネント規約 第1版」を公開している。(T.F.)