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 NECは9月10日,ポータル・サイトの「BIGLOBE」を,個人情報の保護を支援するための「P3P」(プラットフォーム・フォー・プライバシ・プレファレンス・プロジェクト)に対応させた。P3Pは,W3C(World Wide Webコンソーシアム)標準である。国内の商用サイトでP3Pを採用したのは,これが初めて。

 P3Pは,多くのWebサイトでは文章で記述されている「プライバシ・ポリシー」を,コンピュータで処理できるようにするための規格。文章のプライバシ・ポリシーは分かりにくいことが多いが,P3Pを利用すれば,その内容をWebブラウザなどのソフトウエアで統一的に表示できるようになる。あいまいな文章の表現に悩まされることはなくなる。ユーザーが自分のプライバシ・ポリシーをブラウザなどに設定しておけば,それとWebサイトのポリシーが合致するかを自動的にチェックすることもできる。

 BIGLOBEはP3Pを使って,さまざまな個人情報に対して,利用目的や保存期間,第三者への開示の可能性などを記述した。例えば(1)「住所・氏名・年齢」は,プレゼントを発送することを目的に利用し,保存期間は無期限,特に契約した委託事業者には開示する可能性がある。(2)「クッキー」は,個人や端末を特定し,Webページをカスタマイズすることなどを目的とし,保存期間は無期限,第三者へは開示しない,などとしている。

 マイクロソフトはWebブラウザの新版「Internet Explorer(IE)6」(日本語版の出荷時期は未定)でP3Pに対応する。IE6を使うことで,P3Pで記述されたWebサイトのプライバシ・ポリシーを画面で確認できるようになる。IE6は,2001年11月に出荷するWindows XPに同こんされるため,今後P3Pを利用できるユーザーが急速に増えるとみられる。

 米国ではすでに,AT&Tやヒューレット・パッカード,IBM,マイクロソフトなど,多くのベンダーのWebサイトがP3Pに対応済み。日本のベンダーにもこうした動きが広がりそうだ。(K.A.)