NTT情報流通プラットフォーム研究所は,VPN(仮想プライベート・ネットワーク)機能を実装したPCカード「スマートモデムカード」を開発した。このPCカードにPHS/携帯電話を接続してパソコンなどに組み込めば,インターネット経由で安全に社内ネットワークなどに接続できる。PCカードにVPN接続に関連する情報すべてを実装しており,このカードを組み込むだけで,任意のパソコンを簡単にVPNクライアントにできる点が特徴である。IPSecとL2TP(Layer2 Tunneling Protocol)を使ったVPNに対応する。VPN接続するには,社内ネットワーク側に,別途VPN対応のアクセス・サーバーやリモート・ルーターが必要になる。

 現在販売されているVPNシステムのほとんどがリモート接続するための製品を用意している。ただ,リモート接続するためには,パソコンに専用のVPNクライアント・ソフトをインストールする必要がある。また,接続するネットワークのあて先情報や利用するプロトコルなどをパソコンに保存することになり,セキュリティ面の不安もある。

 プラットフォーム研が開発したPCカードには,暗号化や通信プロトコルなどのソフトウエアや設定情報など,VPN接続に必要な機能すべてが組み込まれている。このカードさえあれば,ほとんどのパソコンを簡単にVPNクライアントにできる。VPNに関連する処理はPCカード内で実行し,パソコンからは通常のダイヤルアップ接続と同じように使える。VPNクライアントに使ったパソコンには,VPNの設定情報などは残らない。PCカードは,Windowsパソコンから標準モデムとして認識されるため,特別なドライバ・ソフトは不要である。PCカードをパソコンに装着するだけですぐに利用できる。MacやLinux,Zaurusなどでも利用できるが,ドライバのインストールなど多少手間がかかる。

 いまのところ,社内ネットワーク側に設置するサーバーなどは,アライドテレシス製品(実売価格10万円台から)に限定される。IPSecの標準に,まだ固まっていない部分があるからだ。標準化の進み具合を見ながら,ほかのベンダーの製品との相互接続をチェック,確保していくという。

 すでに製品として販売できるレベルにあり,現在,実際の環境でテスト中である。販売は,NTTの関連会社など,ほかの企業が実施することになる。価格は,他社製品のVPNクライアントと同じくらいの3万円前後にしたいと考えている。(T.K.)